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FCV内で水素を精製?栃木の企業と岩手大が機器開発へ

大高商事
 大高商事(宇都宮市、伊原修社長、028・665・1911)は、岩手大学と共同で燃料電池車(FCV)用の「車上作動水素発生装置」とその関連機器の開発を進める。2018年度中に試作機を完成し3年以内の実用化を目指す。費用は大高商事が負担する。自動車内で水素を生む技術の実現で、FCVの普及促進につなげる。

 高電圧電源によるプラズマ現象を用いて、液体炭化水素を分解して水素を精製する装置を開発する。将来は、車載可能な高電圧発生装置も実用化し走行しながら精製できるようにする。研究は大高商事の西田靖顧問と岩手大理工学部の高木浩一教授が主導する。水素の源燃料はメタンガスなどを想定する。

 現状のFCVは、大型プラントなどで製造した水素を水素ステーションまで運搬し、それを車載タンクに充填(じゅうてん)する形をとる。水素はクリーンな電力源である一方、運搬には高圧・超低温にする必要がある。今回の装置は水素を車上で精製してすぐに使用し高圧・超低温にする作業が不要で、エネルギーコストを抑えられる。
日刊工業新聞2018年9月20日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
水素は大規模装置で集中精製するものと思っていたため驚きました。どれくらいの速度で精製でき、機器の大きさはどのくらいになるのか気になります。

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