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展示や商談、会議にいかが…観光列車、ビジネスに提案

伊豆急行が需要を掘り起こす
展示や商談、会議にいかが…観光列車、ビジネスに提案

BツーBの需要開拓を本格化する伊豆観光列車「ザロイヤルエクスプレス」

 東京急行電鉄はグループの伊豆急行が運行する観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ザロイヤルエクスプレス)」の法人向け利用提案を本格化する。グループ各社のネットワークを使い、展示や商談などと食事を組み合わせた観光列車のビジネス需要を掘り起こす。伊豆地域のグループ宿泊施設との相乗効果も視野に、鉄道を活用した新たなサービスコンテンツを創出する。

 観光列車「ザロイヤルエクスプレス」は8両編成で3号車には、ほぼまるごとフリースペースとして使える車両「マルチカー」がある。スペースを仕切っての利用や、窓を覆い密閉空間での利用も可能。東急は法人に、マルチカー活用を軸とした貸し切り列車運行の提案を進めていく。

 7月には第1弾として資生堂が新商品の体験会に利用し、マルチカーを独自の世界観で装飾してブランドイメージを表現した。今冬にはデンマークの高級家具ブランドが購入者の招待旅行で利用を決め、マルチカーをモデルルームに活用する。

 法人向け用途は商品発表や展示、商談、会議、インセンティブ旅行など幅広く想定。二つの実績を元に営業を本格化させ、グループのホテル事業とも連携して顧客発掘やサービスの開発に取り組む。

 「ザロイヤルエクスプレス」は伊豆地域の観光振興を狙いに2017年7月から、JRの横浜駅から伊豆急下田間にツアー専用商品で定期運行を始めた。

 車両デザインは水戸岡鋭治氏が担当した。青色の車体で金色の帯をアクセントに使用。車内は、壁や天井にも木質をふんだんに使い、随所に職人の技をちりばめた。いすや机など家具にもこだわって、上質な空間を演出した。JR各社のクルーズトレイン同様に高級感を特徴としている。
日刊工業新聞2018年9月14日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
観光列車は多様化していますね。ニュースイッチでは、地方で走る“レストラン列車”なども紹介しています。

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