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製造現場の設備や予備品「まるっとデジタル化したい」を支援

日立システムズが事業強化、21年度に100億円へ
製造現場の設備や予備品「まるっとデジタル化したい」を支援

写真はイメージ

 日立システムズは、製造現場のデジタル化を支援する取り組みで、2021年度に売上高100億円を目指す。顧客に代わって設備や予備品の棚卸しをする「現場作業代行」、業務の可視化や標準化を行う「台帳作成」によって製造現場の“デジタライゼーション”を進める。18年度の売上高目標は50億円。スマートファクトリーに取り組む大手製造業を開拓し、売上高倍増を狙う。

 日立システムズは製造現場のデジタライゼーションを支援する取り組みを「統合資産管理サービス」として提供する。一般的な製造業のIT化は設備や周辺機器にセンサーを取り付けるところからスタートするが、同社のサービスは製造現場の整理整頓や棚卸しから始めるのが特徴。設備や予備品、治工具の数を把握し、タグを付けてスマートフォンなどでの棚卸しを可能にするシステムを構築するほか、工場の敷地図面に予備品の所在地を見える化したり、業務の標準化を進める改善計画書や業務に合わせた操作指導書を作成したりする。

 1ライン5000―1万点の設備や予備品の見える化を約2カ月で実施する。価格は個別見積もりだが、400万―500万円程度。その上で、製造現場のITシステム構築も行う。同サービスの活用により、資産管理業務の作業工数を90%程度削減するほか、部品・予備品の10%程度の削減や、生産設備の故障を20%程度低下する。棚卸しなどは同社の保守業務を担う全国300拠点3000人の人員を活用する。

 プラットフォームソリューション事業推進本部の遠藤尚部長は「製造業は納期が最優先されており、生産性向上が命題だったが、グローバル化により利益重視にシフトしてきた。利益が出るモノづくりにはIoT(モノのインターネット)の活用が重要で、それには設備や予備品を把握するなど足元の見える化が大事だ」としている。
(2018年9月6日)
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
大企業だけでなく、その企業と取引のある中小企業へも製造現場のデジタル化は広がります。支援ビジネスはニーズがありそうです。

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