ニュースイッチ

テレビ離れに対抗、通販番組最大手がSNSで配信

顧客接点を拡大
テレビ離れに対抗、通販番組最大手がSNSで配信

フェイスブックなどのSNSをフル活用し番組を配信する

 ジュピターショップチャンネル(東京都中央区、田中惠次社長、03・5541・6550)は、会員制交流サイト(SNS)での動画配信を通じ、通販事業を強化する。2018年内に、通販番組の一部をSNSで配信するほか、出荷や番組配信などについてユーザーに通知する。同社はテレビ通販で国内最大手。EC(電子商取引)市場の拡大に対応してSNSでも番組を視聴できるようにし、テレビ以外の顧客接点を増やす。

 ジュピターショップチャンネルはまず、ジュピターテレコム(JCOM)の契約者向けに放映しているケーブルテレビ番組の一部を対話アプリケーション(応用ソフト)「LINE」などで配信する計画。番組の配信や購入後の出荷を通知する機能も搭載する。専用のECサイトと連携し、動画視聴後に欲しい商品を速やかに購入できるようにする。フェイスブックで試行的に動画を配信しており、有用性を確認中。年内に他のSNSでも本格的に配信する。

 テレビの視聴人口の減少を背景に、通販各社は顧客との接点を増やすオムニチャネル戦略を進めている。その一つとしてSNSを活用する企業が増えている。すでにテレビ通販で業界2位のQVCジャパン(千葉市美浜区)はフェイスブックやインスタグラム、ツイッターを始めとしたSNSでの動画配信に乗り出している。

 国内の通販市場はECの伸びが市場をけん引し、17年は16年比約6%増の9兆7234億円を見込む。一方、TV通販は新規顧客獲得が難しくなりECへのシフトが進む。米アマゾンや楽天などのインターネット通販事業者も脅威となる。ジュピターショップチャンネルはSNSをフル活用し、競争激しい市場で攻勢をかける。
日刊工業新聞2018年7月11日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
ジュピターショップチャンネルはECシフトの一環でスマホアプリにも力を入れています。高齢者の顧客が多いことを踏まえ、タップ操作のみで注文できるアプリなどを展開しています。

編集部のおすすめ