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意外と少ない県庁所在地の隣り合わせ、仲良くできる?

今度こそ宮城と山形の広域連携は動き出すか
 府県庁所在地が隣り合わせになっている地域は全国にそれほどない。北から仙台市と山形市、京都市と大津市、福岡市と佐賀市の3例だ。日本地図を見ると、もっと“隣同士”がありそうなものだが実は珍しい。

 県境を挟み県庁所在地が隣の宮城と山形の両県。2007年に宮城・山形の連携に関する基本構想「みらい創造!MY(マイ)ハーモニープラン」を策定。官民による推進組織が旗振り役となり広域連携に力を入れてきた。

 前構想から約10年の年月がたち、このほど両県で新プランを策定。5月、宮城県の村井嘉浩知事と山形県の吉村美栄子知事が一緒に新プランをお披露目した。11年の東日本大震災も踏まえ、両県のつながりは深まる。

 目指す将来像は、歴史や復興の深い“絆”をもとに、交流・イノベーションにより、未来を創る「宮城・山形」。太平洋側と日本海側を結ぶ位置にある両県。互いに補完し合える関係で、震災時は日本海側の力が発揮された。

 新プランに具体的な数値目標はない。ただ両県とも交通基盤形成など、広域連携に「しっかりと取り組んでいく」姿勢に変わりはない。今後は戦略的なインバウンド(外国人旅行客)推進など、予算面での相乗効果を期待したい。
日刊工業新聞2018年6月25日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
意外とお隣の県はライバル視したり「自分たちが上」というプライドを持っていたりする。それは県内の市町村も同じ。歴史的な文化などの背景を持っている場合もあるが。ペーパーベースの題目だけではなかなか広域連携はうまくいかない。

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