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企業のクラウド利用は当たり前に、総務省調査で初の5割越え

「効果があった」は8割超に
 総務省がまとめた2017年通信利用動向調査によると、クラウドコンピューティングサービスを利用している企業の割合は前年比10ポイント高い56・9%となり、企業向けに調査を始めた1993年以降で初めて50%を超えた。ただ、情報通信ネットワーク利用時に発生したセキュリティー侵害で被害を受けた企業が同0・8ポイント高い50・9%と、依然として半数を超えている。

 クラウドコンピューティングは、ネットワーク経由でデータやソフトウエアの提供を受けるサービス。IoT(モノのインターネット)の進展により企業の抱えるデータ量が増え続ける中、自前で管理する必要がないため、国内外で需要が伸びている。

 クラウドサービスの効果について「効果があった」と答えた企業の割合は85・2%に達した。利用したサービスで最多は「ファイル保管・データ共有」で51・2%。以下、「サーバー利用」の47・6%、「電子メール」の46・3%となった。

 一方、セキュリティー被害を受けた企業のうち、「ウイルスを発見・感染」の割合が44・1%だったほか「標的型メールの送付」も28・8%あった。

 情報通信ネットワーク利用時の問題点では「ウイルス感染に不安」を挙げた企業が47・4%と最多。「セキュリティー対策の確立が困難」の40・9%、「運用・管理の費用増」の39・1%が続いた。

 同調査は17年11―12月、6034社に質問票を郵送して実施。2592社(43%)から有効回答を得た。
                 
日刊工業新聞2018年6月1日
八子知礼
八子知礼 Yako Tomonori INDUSTRIAL-X 代表
調査時点は昨年末なので、さらに伸長しているであろうことが予想できる。様々な場所に散在する設備やデバイスからのデータ収集にはモバイル経由でクラウドを活用すべきだと"モバイルクラウド"コンセプトを筆者が提唱し始めて10年。IoTへの取り組み加速によりクラウドはますます当たり前の実装手段になる。

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