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「モビリティーとロボティクスの融合」 ヤマハ発は成長へアクセルを吹かせるか

新たな拠点を開設へ
「モビリティーとロボティクスの融合」 ヤマハ発は成長へアクセルを吹かせるか

MOTOROiD公式動画より

 ヤマハ発動機は30日、横浜市港北区に人工知能(AI)などの先進技術の研究開発と人材育成を担う新拠点「ヤマハモーターアドバンストテクノロジーセンター」を6月14日に開設すると発表した。各分野の高度専門人材を外部から積極採用し、先進技術開発を加速させる。当面は15人体制でスタートし、2021年までに50人規模に拡大する予定。

 新拠点ではインターネットに常時接続するコネクテッドカー(つながる車)関連のソフトウエア技術を開発し、電動2輪車などに導入する計画。20年頃に新拠点発の技術を導入した製品の市場投入を目指す。国内のIT人材が多く集まる首都圏に拠点を置き優秀な人材獲得を図り、開発力を高める。

 また情報通信技術(ICT)を活用し、ソフト開発の新拠点と、実験設備や実機のある静岡県の本社などとのコミュニケーションを密にして開発を効率化する。大学などとのオープンイノベーションも検討する。

 同社は18年12月までの中期経営計画で「モビリティーとロボティクスの融合」を最重要課題に掲げる。先進技術開発の強化により、表面実装機や産業用ロボット、無人ヘリコプターなどのロボティクス製品を高度化するとともに新分野の開拓を進める。

 30日に都内で開いた会見でインテル出身の平野浩介先進技術本部フェローは「ICTやデジタル技術が社の成長の核となる。この拠点を新たな研究開発の中心として成長させていきたい」と意気込みを語った。
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
ヤマハ発動機は日高新体制による次期中期経営計画が今年末までに公表される。基盤事業ではマリンと新興国二輪車の強化、問題領域である先進国二輪車事業とRoV事業の黒字化、成長戦略では闇雲に自動車事業を目指すのではなく、人工知能やロボティックスを含めたモビリティビジネスへの広がりを求めるだろう。その中で、IT能力やオープンイノベーションは競争力の源泉となる。この横浜の新拠点はその戦略に沿ったものだろう。やや遅きに失した感は否めないが。

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