揺れる東芝「パソコン・テレビ」リストラの行方
懸念されるブランドイメージの低下
テレビは国内に集中、「4K」など高付加価値にシフト
東芝は31日、世界に24カ所あるテレビの販売拠点を、2015年度上期までに半減すると発表した。収益性の低い国や地域で拠点の統廃合を進める。海外の営業拠点を中心に、国内外で現状の25%程度に当たる300人強の人員削減を実施。15年3月末比で固定費を約100億円削減する。安定的な収益体質を構築し、テレビ事業の売上高経常利益率(ROS)5%達成を狙う。
統廃合の対象となる国や地域は、取引先などとの関係から非公表としている。販売拠点の減少に伴い販売台数は14年度が700万台、15年度は500万台となるが「4Kや大型テレビといった高付加価値品にシフトするため、売上高はそれほど下がらない」(前田恵造執行役専務)という。今後は注力地域とする日本やインド・インドネシアなどの新興国に販売リソースを集中する。
東芝のテレビ事業は3期連続の赤字。14年度の黒字転換を目指して生産拠点の集約などの構造改革を進めてきたが、同日公表した14年4―6月期連結決算で、同事業は40億円前後の営業赤字になったと見られる。(2014年08月01日付)
<海外の自社開発と販売から撤退>
東芝は海外の自社開発と販売から撤退すると発表した。まずは3月に北米のテレビ事業を終息。台湾のコンパルエレクトロニクスに「TOSHIBA」ブランドを供与し、以降はコンパルが開発・製造から販売・サービスまでを手がける。北米以外についても同様のモデルで他社と協議中。4月の合意を目指す。
日本のテレビ事業は損益がブレークイーブンの状態。今回、利益の薄い海外向けをライセンス料を受け取る“ブランド供与型ビジネス”に移行することで、赤字解消を目指す構えだ。東芝の前田恵造専務は「日本に特化して高品質、大型を売価に転化し黒字にする」としている。
東芝のテレビ事業は3期連続の赤字が続く。同社は3カ所あったテレビの製造拠点を1カ所に集約し、また15年9月までに世界の販売拠点を半減するなどの構造改革を進めてきた。今後は唯一の生産拠点であるインドネシア工場も切り離す方針と見られる。(2015年02月03日付)
<北米に次いで欧州も台湾社にブランド供与>
東芝は17日、7月までに欧州におけるテレビ事業の自社開発・販売・サービス業務から撤退すると発表した。7月から台湾のコンパルエレクトロニクスに「東芝ブランド」を供与し、コンパルが同業務を手がける。東芝は不振の海外事業を縮小し、コンパル社からブランド使用料を得て収益の安定化を図る。
東芝は海外の同業務から撤退しブランド供与型ビジネスに移行する意向を1月に表明しており、すでに北米事業をコンパルに任せた。今回もその一環。東南アジア地域でもブランドを他社に供与し同業務から退く。(2015年06月18日)