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半導体の廃熱、電気信号に再利用する技術ができた!

京大などが実用化目指す
 京都大学大学院工学研究科の白石誠司教授と安藤裕一郎特定准教授らは、TDKや大阪大学と連携し、半導体デバイスの廃熱を電気信号として再利用する技術を確立した。冷却装置が不要になり、コンピューターなど情報機器の大幅な省エネにつながる。今後、変換効率の向上で信号の強度を高め、実用化を目指す。

 京大とTDKなどのグループが、現在のCMOS(相補型金属酸化膜半導体)半導体に代わるものとして、2014年に開発した「スピン金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(スピンMOSFET)」で、スピンMOSFET特有の電子の自由な動きを活用して熱の電気信号への変換に成功した。

 鉄製の磁性電極からシリコン基板に電流を流し、電極と基板の温度差を発生させて電子の動きを生み出す。電子の動きを効率よく伝えるため、電極と基板の間に酸化マグネシウムの層を設けた。
              

日刊工業新聞2018年5月4日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
スピンMOSFETは少ない電力で情報処理ができる次世代デバイス。廃熱の再利用でさらに省エネ化が進む。機器使用時のクーラー利用の減少や、ファンなどの冷却装置がなくなることで機器の小型化などにつながる。

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