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堀場が室内で実路走行を再現、受託テストと先進設備の販売も

自動車の開発期間を短縮
堀場が室内で実路走行を再現、受託テストと先進設備の販売も

英子会社が保有するAETC

 堀場製作所は完成車や部品メーカーなどに対し、自動車の実路走行を室内で再現して開発期間を大幅短縮する試験設備の販売を始めた。世界的な排ガス規制強化の中、欧州は2017年秋に実路走行中の排ガス測定を義務化し、日本は22年に導入予定だ。堀場は車の受託テストを担う英国子会社などを通じ、顧客の開発業務を支援してきた。同子会社が昨夏導入した先進設備への関心は高く引き合いも多いため、要望に応じ外販する。

 英国子会社が導入したアドバンスドエミッションズテストセンター(AETC、先進的排ガス試験設備)をベースに、機器構成は顧客ニーズに合わせる。開発期間の短縮割合は構成で異なるが、実路の開発工程を大幅に減らせる。仕様によるが価格は10億円規模。

 20年度までの5カ年計画で自動車関連事業の売上高目標は1000億円(17年度733億円)。世界首位で好調な排ガス計測機器、車の生産・開発向けの多様な計測機器などに加え、先進設備の提案で達成を後押しする。

 新規制は実路走行中の排ガス測定試験が要り、先進国で導入が進む。AETCはシャシーダイナモメーターや排ガス試験機器、排気圧の制御など行う標高シミュレーター、全天候型環境試験室などで構成し、坂道走行や雪道のスリップなども室内の台上試験で再現する。実路走行の再現により、最終の測定試験前に開発精度を高め、開発期間を短縮・効率化する。
日刊工業新聞2018年4月13日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
車の高度化や規制強化、動力源多様化などで完成車や部品メーカーなどは、開発試験のアウトソーシングや先進設備に注目する。堀場は従来の受託テストに加え、先進設備販売にも力を入れ、顧客の開発作業を支援する。 (日刊工業新聞京都総局・松中康雄)

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