読者が選ぶネーミング大賞、「気軽に入れる保険」が1位に
「かんたん保険シリーズ ライト!By明治安田生命」
日刊工業新聞社は「第28回読者が選ぶネーミング大賞」の大賞に、明治安田生命保険の手軽に加入できる保険商品「かんたん保険シリーズ ライト!By明治安田生命」を選ぶなど、優れたネーミングの16商品・サービスを決めた。ビジネス部門の1位はキャニコムの荒れ地向けの草刈り機「荒野の用心棒ジョージ」、生活部門の1位は山陰酸素工業のガス学習施設「さんそ学習館 ケイオス」となった。商品やサービスの機能や特徴が理解できる“わかりやすい”ネーミングに票が集まった。
かんたん保険シリーズ ライト!By明治安田生命は3479票を獲得。投票者からは「わかりやすいの一言につきる。ネーミングはわかりやすく頭に残るものが一番良い」(30代男性)や「かんたんな保険、気軽に入れる保険というネーミングで保険への抵抗感が軽くなる」(50代女性)といった評価が多かった。また「保険の原点、足元を照らすをライトで表現したところ」(50代男性)を評価する声も多く寄せられた。
荒野の用心棒ジョージは「雑草をならず者に例えて、ストーリー性のあるネーミング」(30代男性)、「鋭い刃で除草してくれそうな勢いを感じる。頼むぞジョージ! なんて言いながら刈ってみたい」(40代女性)など使用シーンを想像させるネーミング力が認められた。
さんそ学習館 ケイオスについては「ケイオスがガスの語源と初めて知った。言葉そのものの意味や、逆にガスとはどういったものであったのか、ということを考える機会となった」(30代女性)とその由来に興味が集まった。「最初聞いた時、なんだこのネーミングと思ったが由来を読んで鳥肌が立った。何か神秘的な匂いがする」(30代男性)と注目された。
ビジネス、生活の各部門賞のほかブランド名の定着などを評価する「ブランドネーミング賞」を3件、ユニークさや発想力に注目した「アイデアネーミング賞」4件、時代背景などを考慮し話題性のある「タイムリーネーミング賞」を2件選んだ。
日刊工業新聞社は8日、東京・飯田橋のホテルグランドパレスで「2017年第28回読者が選ぶネーミング大賞」の表彰式を開いた。大賞には、明治安田生命保険の、手軽に加入できる保険「かんたん保険シリーズ ライト!By明治安田生命」が選ばれ、同社の根岸秋男社長に記念の盾を贈った。総投票数1万4370票で、ライト!は3479票を獲得した。
根岸社長は「受賞を励みに商品・サービスの強化につとめたい」とあいさつ。講評した丸の内ブランドフォーラムの片平秀貴代表は「ネーミング大賞は過去に『一番搾り』なども受賞している。今回の受賞商品もそんなビッグネームになるよう頑張ってほしい」と語った。
明治安田生命保険 「かんたん保険シリーズ ライト! By明治安田生命」
【特徴】
分かりやすく簡潔な商品性を明快な商品名で表現し、大賞に輝いたのが、明治安田生命保険の「かんたん保険シリーズ ライト! By明治安田生命」だ。複雑になりがちな保険が多いなか、シンプルさと手軽さが特徴。契約数も順調に伸びており、2016年10月の発売から約2年たった17年12月末の契約数は約56万件。大ヒット商品となった。
「ライト!」の契約者は、3分の2がこれまで同社と取引のなかった顧客であり、特にインターネット経由の申し込みは9割が新規顧客と顕著だ。ハッキリした商品内容とキャッチーなネーミングで、新たな顧客層の開拓に成功している。
【担当者の声】
営業企画部営業企画グループグループマネジャー 菊野和洋氏
わかりやすさ、手軽さを伝える“Light”、こんな保険が欲しかったという気持ちの「ザッツ・ライト」、保険商品の選択に迷うお客さまの足元を照らす「ライト」の三つの意味を込めてネーミングした。末尾の!マークは、こんな商品があったんだ! という驚きを表現した。
ライト!シリーズは、これまで当社と契約のなかった新規顧客に向けた商品で、その狙いは成功したと考えている。今回の受賞を通じてさらに多くの人にライトシリーズを知ってもらい、さらなる新規開拓につなげたい。
キャニコム 「荒野の用心棒ジョージ」
【特徴】
キャニコム(福岡県うきは市、包行良光社長、0943・75・2195)の「荒野の用心棒ジョージ」は、凹凸の多い路面や傾斜の大きい斜面など悪条件の作業環境で安定した作業を可能とした雑草刈り機。前モデル「ブッシュカッター・ジョージ」の機能を発展させ、最大出力51馬力のエンジンを搭載。走行性や草刈り能力を向上させた。
「荒野」には山間地や密林などの悪条件にも対応できる製品としての幅広さを、「用心棒」には強靱(きょうじん)な足回りによって操縦できる安定感を表した、安全性を最優先とする製品の特徴として体現する意味を込めた。
【担当者の声】
包行均会長
「ブッシュカッター・ジョージ」が草刈り機としてお客さまから支持され、広まっていく過程でさらに高い性能を求める要望が年々増えてきた。そんな声を製品に反映させ、パワーアップしたという意味を示す狙いがあった。製品開発にはマーケティングで得た情報を特徴として織り込むことが重要だ。その上で市場に広めていく際、今後、ネーミングの重要性がさらに問われてくる。特に中小企業が自社ブランドで勝負していくためには、欠かせない要素となる。
岩田鉄工所 「すぐれ門」
【特徴】
岩田鉄工所(岐阜県羽島市、岩田勝美社長、058・392・4525)の「すぐれ門(もん)」は農業用水路などの小規模水門に取り付け、電動で開閉する装置。駆動源が市販の充電式電動ドリルで、停電時も使える。クランクハンドルの差し込み口に取り付け、ボタン操作するだけで動く。手動での水門開閉は時間がかかり、重労働なため、迅速作業が求められる災害時に役立つ。名前は、試作品を使った水道管理者たちが「これは優れもんだ」と異口同音に感謝してくれたことと、労力・時間・危険を低減する優れた製品だという思いから名付けた。
【担当者の声】
岩田勝美社長
当社は電子部品表面実装機や航空機関連向けに精密部品を製造するBtoBメーカー。その傍らでBtoCの自社製品開発も行っている。リーマン・ショック後の一時期、急激に受注が減ったため、時間を有効利用すべく本格的に始めた。電動伸縮杖「伸助さん」が第21回で入賞して以来、今回で8年連続受賞となった。困りごとを無くすモノづくりで人を喜ばす。喜んだ人がイワタのファンになる。ビジネスtoファン。BtoFこそ当社のスタイルだ。
エコーシステム お弁当たのみませんか~?
【特徴】
エコー・システム(広島市南区、宇郷亮社長、082・264・5512)のお弁当注文管理システム「お弁当たのみませんか~?」は企業や工場で毎日行われている弁当の注文、取りまとめ、発注、配達、請求、給料天引きなどの作業をトータルでサポートする。発注する企業と給食業者の双方を、クラウドデータベースを利用してつなぎ、受発注処理を行うシステムである。お弁当の集計や発注は、通常業務ではないが、担当者にとって煩わしく神経も使う作業だ。同システムによりそのような悩ましい作業を解決する。
【担当者の声】
経営企画室本部長 西本悟氏
今回の受賞を素直に喜んでいる。このソフトはさまざまな業界の方たちと直接会って話をする中で、思いついたもの。どこの会社でも、お弁当をたのんだ、たのまなかったというようなトラブルは日常的に起こっている。そんな困りごとを解決したいという思いで開発にいたった。ネーミングも分かりやすく親しみのあるものとした。この受賞を機会にさらに「人との縁」を大切にし、今後のソフト開発に生かしていきたいと思っている。
さんそ学習館ケイオス 山陰酸素工業
【特徴】
山陰酸素工業(鳥取県米子市、並河勉社長、0859・32・2300)の「さんそ学習館ケイオス」は、2017年10月島根県安来市に開設したガスの学習施設。目には見えないガスを見える化することで、子どもから大人まで楽しく学べる。地球上の空気を構成するガス、モノづくりに必要なガスの種類・製造方法について学べるほか、地域とガスの関わりも紹介されている。「ケイオス」はガスの語源で“混沌としたもの”という意味がある。人類はそれを解明し上手に使うことで文明を発展させてきたことから名付けた。山陰から全国にガスの将来性を発信する施設だ。
【担当者の声】
常務 並河元氏
地方創生に向けた取り組みが加速する中、山陰地域から受賞することができ、大変な栄誉である。ケイオスのある島根県安来市は、日本遺産「出雲國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~」に認定され、かつては鉄の積み出し港として栄え、現在は鉄鋼の町である。ケイオスに人が集まることで地域活性化につながればと期待している。
ガスは日常では意識することの少ない物質だが、豊かな暮らしに欠かすことのできないものである。ガスの働きをケイオスで学ぶことで、少しでも身近な存在として感じてほしい。
キリン 零ICHI
【特徴】
ノンアルコールビール「零ICHI」は、同市場のパイオニアを自負するキリンビールが、意地をかけて2017年4月に発売した商品。ビール同様、一番搾り麦汁を使う一番搾り製法を採用することでノンアルビールでありながら、よりビールに近い味わいを実現した。
キリンは業界のトップを切って09年4月にキリンフリーを発売した。その後、同業他社も競合商品で攻勢をかけ、ノンアルコールビール市場の競争は激しい。零ICHIも18年2月に麦を増量し、コクや後味を向上。さらに消費者から支持を得ている。
【担当者の声】
キリン マーケティング部発泡酒・ノンアルチームブランドマネージャー主査 阿部学氏
零ICHIのネーミングは、ノンアルコールでアルコール度数がゼロということと、一番搾り麦汁だけ使用する“一番搾り製法”で製造した意味とをかけ合わせた。「01」だと消費者に意味がよく伝わらないため、漢字の零にローマ字表記をつなげて変化をつけた。ノンアルコールビールは当社がキリンフリーを2009年に発売し、先鞭(せんべん)をつけた市場。自分としては当商品でもう一度、新市場を創り出すとの挑戦心を込めたつもりだ。
ミドリ安全 「楽腰パンツ」
【特徴】
腰部分をプリーツ状にした「イージーフレックス機能」に、腰痛予防のための「腰部保護ベルト」を付け、作業者の安全・快適をサポートする。腰を曲げた際にプリーツが伸びて屈伸時に動きやすくするほか、肌着が出るのも防げる。ベルトはウエストフィットで優れた腹圧効果を発揮、さまざまな作業現場に適する。特に医療・福祉現場の労働者は患者の看護・介助のために立ったりしゃがんだりし、腰痛を起こしやすい。看護師・介護士からの引き合いも多く、大手病院からも1700本受注した。
【担当者の声】
エムシーアパレル取締役部長 佐古かがり氏
ミドリ安全は職場における腰痛予防対策にいち早く取り組み、骨盤ベルト式腰部保護ベルトの製造・販売を二十数年前から行ってきた。一方で、さまざまな業種に見られる“しゃがみ”“開脚”運転時の“座る”などの動作が行いやすい、パンツの独自パターンを開発してきた。その二つの技術を組み合わせた「楽腰パンツ」は、さまざまな長時間に渡る作業でも保護ベルトがずれない、まさに「腰」を「楽」にするパンツとなった。
日本生命保険 「もしものときの…生活費」
【特徴】
「もしものときの…生活費」は、日本生命保険が2017年10月に発売した、同社初の就労不能保険だ。入院などで仕事を続けられなくなった時に生活費を保障してくれる保険で、精神疾患による休業もカバーしている。公的保障を踏まえて給付金額を設定できる、分かりやすさも特徴。契約件数は18年1月末時点で約7万件。そのうち2割が新規顧客。当初の想定を超える売れ行きとなっている。
【担当者の声】
田中聡取締役執行役員
「みらいのカタチ」や「グランエイジ」など当社の保険商品はイメージ重視のネーミングが多いが、「もしものときの…生活費」は新市場に向けた商品と言うこともあり、直球でわかりやすいネーミングにした。当社の営業職員だけでなく保険ショップでも販売しているが、どの現場からも「説明しやすく売りやすい」と好評だ。
富士通ビー・エス・シー 「FENCE―Mail For Gateway」
【特徴】
受賞したのは暗号化技術によって、メール経由の情報漏えいを防ぐゲートウエー方式のセキュリティー製品。FENCEには二つの意味がある。一つはウイルスやサイバー攻撃から企業システムを防御する柵(フェンス)を指す。
もう一つは富士通の頭文字であるFと、Encryption(エンクリプション=暗号化)の掛け合わせだ。日系企業向けの製品だが、海外の従業員にも分かりやすいネーミングとなっている。
【担当者の声】
サービスビジネス本部クラウドサービス事業部プロジェクト部長・新谷剛氏
日本語のネーミングが多い中で、英語が受け入れられるか心配だった。でも「富士通+暗号化(エンクリプション)」の掛け合わせの意味が受け入れられ、とてもうれしい。富士通のセキュリティー製品として認められたことに意義がある。働き方改革でもセキュリティー対策は極めて重要であり、タイムリーだった。
田中工機 「アガール~AGIRL~」
【特徴】
田中工機(長崎県大村市、田中博社長、0957・55・8181)は25年の開発期間を経て完成した次世代の乗用ピッカー「アガール~AGIRL~」が受賞した。導入口にゴムを使うなど作物を傷つけない設計。タマネギや春先のやわらかいジャガイモを収穫できる。全国で高齢化する農家を背景に「次世代につながる農業」を追求した。名称には作業効率が“アガール(上がる)”ことや楽に収穫できる仕組みで女性の就農支援を促進する意味を込めている。
【担当者の声】
田中秀和副社長
「持続できる農業」が開発テーマ。現状、収穫作業の99・9%が手作業だ。根菜類の収穫をいかに楽にできるかを考えた。高齢化や人材確保の問題が深刻になる中で、人手不足への布石になると信じている。ネーミングは約20の候補から五つ程度に絞り決めた。一般名称ではなく愛称をつけることで全国に広めたい。
池永セメント工業所 「家のねっこ」
【特徴】
池永セメント工業所(大分市、池永征司社長、097・597・3113)の「家のねっこ」は、プレキャスト鉄筋コンクリート杭(くい)を使った一戸建て住宅向け地盤補強工法の名称。杭の断面は小判型で直径200㍉㍍。10㌧以上の荷重をかけて杭を打ち込む圧入式地盤補強工法により、軟弱な地盤に強度を与え、信頼性の高い住宅建設に貢献する。何十本もの杭が建物を支える様子から「家に根っこを生やす」イメージでネーミングした。
【担当者の声】
池永征司社長
ネーミング大賞の常連でもあるキヤニコム(福岡県うきは市)の包行均会長の講演がきっかけでネーミングを真剣に考えるようになった。同社と同時受賞できて大変うれしい。しっかりと名前を考えた製品は社員も思い入れが深まる。今後も住宅向け製品を準備しており、家のねっこに続く「ねっこ三兄弟」としてシリーズ化したい。
住友理工 「体圧ブンさん」
【特徴】
住友理工の床ずれ防止マットレス「SRアクティブマットレス 体圧ブンさん」は、利用者の体格や寝る姿勢に合わせて体圧を自動分散する。独自開発した導電性ゴム製の体圧検知センサー「スマートラバー(SR)センサ」を応用し、検知した体圧情報を基に専用ポンプで内蔵の2層構造のエアセルを膨張・収縮して除圧する。九州大学との共同研究で開発し、介護保険による福祉用具貸与の対象製品になったためレンタルも始めている。
【担当者の声】
健康介護事業室技術課 早川知範氏
「体圧ブンさん」は寝たきり患者向けの床ずれ防止マットレスです。臥床(がしょう)者の体圧分布を測り、自動で高圧部位を除圧して床ずれ発生リスクを低減します。「体圧分散」動作が看護ケアの負担軽減と寝心地の良さを提供するキーワードになるため、擬人化した商品名にしました。臥床者、介護者の両者に喜ばれることが開発者の願いです。
レオンアルミ 「Sweet Dreams Comca(コムカ)」
【特徴】
レオンアルミ(栃木県下野市、堺義孝社長、0285・52・0301)のネコ向けベッド「Sweet Dreams Comca(コムカ)」は、猫に夏場はひんやり、冬場は温かい環境を提供する。熱伝導性に優れるAC4Cアルミニウム合金製のベッド底面に放熱フィンを設けて熱を逃がし、熱中症対策を実現。冬場は周囲の熱であたたかさを伝える。ラウンドスクウェア形状にするなどおしゃれな見た目にもこだわる。
【担当者の声】
堺義孝社長
当社として初めてのBtoC(対消費者)商品。鋳物の多くは内部に組み込まれるが、コムカは目に見える商品で社員のモチベーション向上にもつながった。名前は社内で募った候補から「Comfortable Casting(心地よい鋳物)」を選び、その頭文字をあてた。鋳物に興味を持たせる起爆剤になれば幸いだ。
カシオ計算機 「G`z EYE(ジーズアイ)」
【特徴】
カシオ計算機の「G`z EYE(ジーズアイ)」は、4メートル落下耐衝撃性能や50メートル防水性能、IP6Xの防塵性能、マイナス10度Cの耐低温性能を備えたタフカメラだ。過酷な環境下で行われるスノーボードやサーフィンなどの様々なエクストリームスポーツでの使用に耐え、広角レンズにより臨場感あふれる写真や動画を撮影できる。耐衝撃腕時計「Gショック」や防水・防塵のアウトドア向けカメラで培ってきたノウハウを結集して開発した。
【担当者の声】
コンシューマ戦略部 田中 和夫氏
カシオ独自の高い耐衝撃構造を備えた商品につけられる「G」の文字を冠した上で、いかなるタフな環境下でも、決定的瞬間を捉える目という意味を込め、『G’z EYE』と名づけられた。単にタフなカメラというだけでなく、クールに持ち運べる映像コミュニケーションギアとして、様々なシーンで活用していただきたい。
任天堂 Nintendo Switch
【特徴】
「持ち運べる据え置き型ゲーム機」として大ヒット。テレビの大画面でも楽しめるが、ドックから本体を取り出すと、本体ディスプレーに画面がシームレスに切り替わる。この特徴に、娯楽体験の変化という意味も込めて「Switch(スイッチ)」とした。着脱可能なコントローラー「Joy―Con(ジョイコン)」は、加速度・ジャイロセンサー、モーションIRカメラ、触感を伝えるHD振動などの機能を持ち、多彩な遊び方が可能。
【担当者の声】
Nintendo Switch 開発チーム
プレイシーンに応じてプレイスタイルを「スイッチ」させ、「いつでも、どこでも、誰とでも楽しめる」。ネーミングに込めたこのコンセプトが多くの人に受け入れられ、楽しんでいる光景が想像され、大変うれしく思う。今後も世界中の方々に喜んでもらえる遊びやサービスをつくっていく。楽しみにしてお待ちいただきたい。
三菱電機 「Maisart」
【特徴】
「Maisart(マイサート)」はAI(人工知能)が世界の隅々まで普及する時代を見据えた、独自のAI技術ブランドだ。ディープラーニング、強化学習、ビッグデータ(大量データ)分析といった最新のAI技術であっても計算量を大幅に削減し小さくしたのが特徴。これにより機器やエッジ(生産現場)への搭載が可能となり、全てのモノをスマートにできる。人が知的活動として行ってきた認識・識別、原因推定、予兆検知、最適制御、自動化などさまざまな機能をAIが実現する。
【担当者の声】
情報技術総合研究所知能情報処理部長 三嶋英俊氏
多くのネーミング候補の中から開発チーム全員で議論した。「AIで全てのものをSmartに」という無限の可能性を秘めたコンセプトへのおもいを、名前に織り込むという発想がベース。アルファベットの「A・I・S・M・A・R・T」にもこだわって、これらを並び替えて「Maisart(マイサート)」に決めた。
かんたん保険シリーズ ライト!By明治安田生命は3479票を獲得。投票者からは「わかりやすいの一言につきる。ネーミングはわかりやすく頭に残るものが一番良い」(30代男性)や「かんたんな保険、気軽に入れる保険というネーミングで保険への抵抗感が軽くなる」(50代女性)といった評価が多かった。また「保険の原点、足元を照らすをライトで表現したところ」(50代男性)を評価する声も多く寄せられた。
荒野の用心棒ジョージは「雑草をならず者に例えて、ストーリー性のあるネーミング」(30代男性)、「鋭い刃で除草してくれそうな勢いを感じる。頼むぞジョージ! なんて言いながら刈ってみたい」(40代女性)など使用シーンを想像させるネーミング力が認められた。
さんそ学習館 ケイオスについては「ケイオスがガスの語源と初めて知った。言葉そのものの意味や、逆にガスとはどういったものであったのか、ということを考える機会となった」(30代女性)とその由来に興味が集まった。「最初聞いた時、なんだこのネーミングと思ったが由来を読んで鳥肌が立った。何か神秘的な匂いがする」(30代男性)と注目された。
ビジネス、生活の各部門賞のほかブランド名の定着などを評価する「ブランドネーミング賞」を3件、ユニークさや発想力に注目した「アイデアネーミング賞」4件、時代背景などを考慮し話題性のある「タイムリーネーミング賞」を2件選んだ。
表彰式
日刊工業新聞社は8日、東京・飯田橋のホテルグランドパレスで「2017年第28回読者が選ぶネーミング大賞」の表彰式を開いた。大賞には、明治安田生命保険の、手軽に加入できる保険「かんたん保険シリーズ ライト!By明治安田生命」が選ばれ、同社の根岸秋男社長に記念の盾を贈った。総投票数1万4370票で、ライト!は3479票を獲得した。
根岸社長は「受賞を励みに商品・サービスの強化につとめたい」とあいさつ。講評した丸の内ブランドフォーラムの片平秀貴代表は「ネーミング大賞は過去に『一番搾り』なども受賞している。今回の受賞商品もそんなビッグネームになるよう頑張ってほしい」と語った。
<大賞>
明治安田生命保険 「かんたん保険シリーズ ライト! By明治安田生命」
【特徴】
分かりやすく簡潔な商品性を明快な商品名で表現し、大賞に輝いたのが、明治安田生命保険の「かんたん保険シリーズ ライト! By明治安田生命」だ。複雑になりがちな保険が多いなか、シンプルさと手軽さが特徴。契約数も順調に伸びており、2016年10月の発売から約2年たった17年12月末の契約数は約56万件。大ヒット商品となった。
「ライト!」の契約者は、3分の2がこれまで同社と取引のなかった顧客であり、特にインターネット経由の申し込みは9割が新規顧客と顕著だ。ハッキリした商品内容とキャッチーなネーミングで、新たな顧客層の開拓に成功している。
【担当者の声】
営業企画部営業企画グループグループマネジャー 菊野和洋氏
わかりやすさ、手軽さを伝える“Light”、こんな保険が欲しかったという気持ちの「ザッツ・ライト」、保険商品の選択に迷うお客さまの足元を照らす「ライト」の三つの意味を込めてネーミングした。末尾の!マークは、こんな商品があったんだ! という驚きを表現した。
ライト!シリーズは、これまで当社と契約のなかった新規顧客に向けた商品で、その狙いは成功したと考えている。今回の受賞を通じてさらに多くの人にライトシリーズを知ってもらい、さらなる新規開拓につなげたい。
<ビジネス部門第1位>
キャニコム 「荒野の用心棒ジョージ」
【特徴】
キャニコム(福岡県うきは市、包行良光社長、0943・75・2195)の「荒野の用心棒ジョージ」は、凹凸の多い路面や傾斜の大きい斜面など悪条件の作業環境で安定した作業を可能とした雑草刈り機。前モデル「ブッシュカッター・ジョージ」の機能を発展させ、最大出力51馬力のエンジンを搭載。走行性や草刈り能力を向上させた。
「荒野」には山間地や密林などの悪条件にも対応できる製品としての幅広さを、「用心棒」には強靱(きょうじん)な足回りによって操縦できる安定感を表した、安全性を最優先とする製品の特徴として体現する意味を込めた。
【担当者の声】
包行均会長
「ブッシュカッター・ジョージ」が草刈り機としてお客さまから支持され、広まっていく過程でさらに高い性能を求める要望が年々増えてきた。そんな声を製品に反映させ、パワーアップしたという意味を示す狙いがあった。製品開発にはマーケティングで得た情報を特徴として織り込むことが重要だ。その上で市場に広めていく際、今後、ネーミングの重要性がさらに問われてくる。特に中小企業が自社ブランドで勝負していくためには、欠かせない要素となる。
<ビジネス部門第2位>
岩田鉄工所 「すぐれ門」
【特徴】
岩田鉄工所(岐阜県羽島市、岩田勝美社長、058・392・4525)の「すぐれ門(もん)」は農業用水路などの小規模水門に取り付け、電動で開閉する装置。駆動源が市販の充電式電動ドリルで、停電時も使える。クランクハンドルの差し込み口に取り付け、ボタン操作するだけで動く。手動での水門開閉は時間がかかり、重労働なため、迅速作業が求められる災害時に役立つ。名前は、試作品を使った水道管理者たちが「これは優れもんだ」と異口同音に感謝してくれたことと、労力・時間・危険を低減する優れた製品だという思いから名付けた。
【担当者の声】
岩田勝美社長
当社は電子部品表面実装機や航空機関連向けに精密部品を製造するBtoBメーカー。その傍らでBtoCの自社製品開発も行っている。リーマン・ショック後の一時期、急激に受注が減ったため、時間を有効利用すべく本格的に始めた。電動伸縮杖「伸助さん」が第21回で入賞して以来、今回で8年連続受賞となった。困りごとを無くすモノづくりで人を喜ばす。喜んだ人がイワタのファンになる。ビジネスtoファン。BtoFこそ当社のスタイルだ。
<ビジネス部門第3位>
エコーシステム お弁当たのみませんか~?
【特徴】
エコー・システム(広島市南区、宇郷亮社長、082・264・5512)のお弁当注文管理システム「お弁当たのみませんか~?」は企業や工場で毎日行われている弁当の注文、取りまとめ、発注、配達、請求、給料天引きなどの作業をトータルでサポートする。発注する企業と給食業者の双方を、クラウドデータベースを利用してつなぎ、受発注処理を行うシステムである。お弁当の集計や発注は、通常業務ではないが、担当者にとって煩わしく神経も使う作業だ。同システムによりそのような悩ましい作業を解決する。
【担当者の声】
経営企画室本部長 西本悟氏
今回の受賞を素直に喜んでいる。このソフトはさまざまな業界の方たちと直接会って話をする中で、思いついたもの。どこの会社でも、お弁当をたのんだ、たのまなかったというようなトラブルは日常的に起こっている。そんな困りごとを解決したいという思いで開発にいたった。ネーミングも分かりやすく親しみのあるものとした。この受賞を機会にさらに「人との縁」を大切にし、今後のソフト開発に生かしていきたいと思っている。
<生活部門第1位>
さんそ学習館ケイオス 山陰酸素工業
【特徴】
山陰酸素工業(鳥取県米子市、並河勉社長、0859・32・2300)の「さんそ学習館ケイオス」は、2017年10月島根県安来市に開設したガスの学習施設。目には見えないガスを見える化することで、子どもから大人まで楽しく学べる。地球上の空気を構成するガス、モノづくりに必要なガスの種類・製造方法について学べるほか、地域とガスの関わりも紹介されている。「ケイオス」はガスの語源で“混沌としたもの”という意味がある。人類はそれを解明し上手に使うことで文明を発展させてきたことから名付けた。山陰から全国にガスの将来性を発信する施設だ。
【担当者の声】
常務 並河元氏
地方創生に向けた取り組みが加速する中、山陰地域から受賞することができ、大変な栄誉である。ケイオスのある島根県安来市は、日本遺産「出雲國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~」に認定され、かつては鉄の積み出し港として栄え、現在は鉄鋼の町である。ケイオスに人が集まることで地域活性化につながればと期待している。
ガスは日常では意識することの少ない物質だが、豊かな暮らしに欠かすことのできないものである。ガスの働きをケイオスで学ぶことで、少しでも身近な存在として感じてほしい。
<生活部門2位>
キリン 零ICHI
【特徴】
ノンアルコールビール「零ICHI」は、同市場のパイオニアを自負するキリンビールが、意地をかけて2017年4月に発売した商品。ビール同様、一番搾り麦汁を使う一番搾り製法を採用することでノンアルビールでありながら、よりビールに近い味わいを実現した。
キリンは業界のトップを切って09年4月にキリンフリーを発売した。その後、同業他社も競合商品で攻勢をかけ、ノンアルコールビール市場の競争は激しい。零ICHIも18年2月に麦を増量し、コクや後味を向上。さらに消費者から支持を得ている。
【担当者の声】
キリン マーケティング部発泡酒・ノンアルチームブランドマネージャー主査 阿部学氏
零ICHIのネーミングは、ノンアルコールでアルコール度数がゼロということと、一番搾り麦汁だけ使用する“一番搾り製法”で製造した意味とをかけ合わせた。「01」だと消費者に意味がよく伝わらないため、漢字の零にローマ字表記をつなげて変化をつけた。ノンアルコールビールは当社がキリンフリーを2009年に発売し、先鞭(せんべん)をつけた市場。自分としては当商品でもう一度、新市場を創り出すとの挑戦心を込めたつもりだ。
<生活部門3位>
ミドリ安全 「楽腰パンツ」
【特徴】
腰部分をプリーツ状にした「イージーフレックス機能」に、腰痛予防のための「腰部保護ベルト」を付け、作業者の安全・快適をサポートする。腰を曲げた際にプリーツが伸びて屈伸時に動きやすくするほか、肌着が出るのも防げる。ベルトはウエストフィットで優れた腹圧効果を発揮、さまざまな作業現場に適する。特に医療・福祉現場の労働者は患者の看護・介助のために立ったりしゃがんだりし、腰痛を起こしやすい。看護師・介護士からの引き合いも多く、大手病院からも1700本受注した。
【担当者の声】
エムシーアパレル取締役部長 佐古かがり氏
ミドリ安全は職場における腰痛予防対策にいち早く取り組み、骨盤ベルト式腰部保護ベルトの製造・販売を二十数年前から行ってきた。一方で、さまざまな業種に見られる“しゃがみ”“開脚”運転時の“座る”などの動作が行いやすい、パンツの独自パターンを開発してきた。その二つの技術を組み合わせた「楽腰パンツ」は、さまざまな長時間に渡る作業でも保護ベルトがずれない、まさに「腰」を「楽」にするパンツとなった。
<タイムリーネーミング賞>
日本生命保険 「もしものときの…生活費」
【特徴】
「もしものときの…生活費」は、日本生命保険が2017年10月に発売した、同社初の就労不能保険だ。入院などで仕事を続けられなくなった時に生活費を保障してくれる保険で、精神疾患による休業もカバーしている。公的保障を踏まえて給付金額を設定できる、分かりやすさも特徴。契約件数は18年1月末時点で約7万件。そのうち2割が新規顧客。当初の想定を超える売れ行きとなっている。
【担当者の声】
田中聡取締役執行役員
「みらいのカタチ」や「グランエイジ」など当社の保険商品はイメージ重視のネーミングが多いが、「もしものときの…生活費」は新市場に向けた商品と言うこともあり、直球でわかりやすいネーミングにした。当社の営業職員だけでなく保険ショップでも販売しているが、どの現場からも「説明しやすく売りやすい」と好評だ。
<タイムリーネーミング賞>
富士通ビー・エス・シー 「FENCE―Mail For Gateway」
【特徴】
受賞したのは暗号化技術によって、メール経由の情報漏えいを防ぐゲートウエー方式のセキュリティー製品。FENCEには二つの意味がある。一つはウイルスやサイバー攻撃から企業システムを防御する柵(フェンス)を指す。
もう一つは富士通の頭文字であるFと、Encryption(エンクリプション=暗号化)の掛け合わせだ。日系企業向けの製品だが、海外の従業員にも分かりやすいネーミングとなっている。
【担当者の声】
サービスビジネス本部クラウドサービス事業部プロジェクト部長・新谷剛氏
日本語のネーミングが多い中で、英語が受け入れられるか心配だった。でも「富士通+暗号化(エンクリプション)」の掛け合わせの意味が受け入れられ、とてもうれしい。富士通のセキュリティー製品として認められたことに意義がある。働き方改革でもセキュリティー対策は極めて重要であり、タイムリーだった。
<アイデアネーミング賞>
田中工機 「アガール~AGIRL~」
【特徴】
田中工機(長崎県大村市、田中博社長、0957・55・8181)は25年の開発期間を経て完成した次世代の乗用ピッカー「アガール~AGIRL~」が受賞した。導入口にゴムを使うなど作物を傷つけない設計。タマネギや春先のやわらかいジャガイモを収穫できる。全国で高齢化する農家を背景に「次世代につながる農業」を追求した。名称には作業効率が“アガール(上がる)”ことや楽に収穫できる仕組みで女性の就農支援を促進する意味を込めている。
【担当者の声】
田中秀和副社長
「持続できる農業」が開発テーマ。現状、収穫作業の99・9%が手作業だ。根菜類の収穫をいかに楽にできるかを考えた。高齢化や人材確保の問題が深刻になる中で、人手不足への布石になると信じている。ネーミングは約20の候補から五つ程度に絞り決めた。一般名称ではなく愛称をつけることで全国に広めたい。
<アイデアネーミング賞>
池永セメント工業所 「家のねっこ」
【特徴】
池永セメント工業所(大分市、池永征司社長、097・597・3113)の「家のねっこ」は、プレキャスト鉄筋コンクリート杭(くい)を使った一戸建て住宅向け地盤補強工法の名称。杭の断面は小判型で直径200㍉㍍。10㌧以上の荷重をかけて杭を打ち込む圧入式地盤補強工法により、軟弱な地盤に強度を与え、信頼性の高い住宅建設に貢献する。何十本もの杭が建物を支える様子から「家に根っこを生やす」イメージでネーミングした。
【担当者の声】
池永征司社長
ネーミング大賞の常連でもあるキヤニコム(福岡県うきは市)の包行均会長の講演がきっかけでネーミングを真剣に考えるようになった。同社と同時受賞できて大変うれしい。しっかりと名前を考えた製品は社員も思い入れが深まる。今後も住宅向け製品を準備しており、家のねっこに続く「ねっこ三兄弟」としてシリーズ化したい。
<アイデアネーミング賞>
住友理工 「体圧ブンさん」
【特徴】
住友理工の床ずれ防止マットレス「SRアクティブマットレス 体圧ブンさん」は、利用者の体格や寝る姿勢に合わせて体圧を自動分散する。独自開発した導電性ゴム製の体圧検知センサー「スマートラバー(SR)センサ」を応用し、検知した体圧情報を基に専用ポンプで内蔵の2層構造のエアセルを膨張・収縮して除圧する。九州大学との共同研究で開発し、介護保険による福祉用具貸与の対象製品になったためレンタルも始めている。
【担当者の声】
健康介護事業室技術課 早川知範氏
「体圧ブンさん」は寝たきり患者向けの床ずれ防止マットレスです。臥床(がしょう)者の体圧分布を測り、自動で高圧部位を除圧して床ずれ発生リスクを低減します。「体圧分散」動作が看護ケアの負担軽減と寝心地の良さを提供するキーワードになるため、擬人化した商品名にしました。臥床者、介護者の両者に喜ばれることが開発者の願いです。
<アイデアネーミング賞>
レオンアルミ 「Sweet Dreams Comca(コムカ)」
【特徴】
レオンアルミ(栃木県下野市、堺義孝社長、0285・52・0301)のネコ向けベッド「Sweet Dreams Comca(コムカ)」は、猫に夏場はひんやり、冬場は温かい環境を提供する。熱伝導性に優れるAC4Cアルミニウム合金製のベッド底面に放熱フィンを設けて熱を逃がし、熱中症対策を実現。冬場は周囲の熱であたたかさを伝える。ラウンドスクウェア形状にするなどおしゃれな見た目にもこだわる。
【担当者の声】
堺義孝社長
当社として初めてのBtoC(対消費者)商品。鋳物の多くは内部に組み込まれるが、コムカは目に見える商品で社員のモチベーション向上にもつながった。名前は社内で募った候補から「Comfortable Casting(心地よい鋳物)」を選び、その頭文字をあてた。鋳物に興味を持たせる起爆剤になれば幸いだ。
<ブランドネーミング賞>
カシオ計算機 「G`z EYE(ジーズアイ)」
【特徴】
カシオ計算機の「G`z EYE(ジーズアイ)」は、4メートル落下耐衝撃性能や50メートル防水性能、IP6Xの防塵性能、マイナス10度Cの耐低温性能を備えたタフカメラだ。過酷な環境下で行われるスノーボードやサーフィンなどの様々なエクストリームスポーツでの使用に耐え、広角レンズにより臨場感あふれる写真や動画を撮影できる。耐衝撃腕時計「Gショック」や防水・防塵のアウトドア向けカメラで培ってきたノウハウを結集して開発した。
【担当者の声】
コンシューマ戦略部 田中 和夫氏
カシオ独自の高い耐衝撃構造を備えた商品につけられる「G」の文字を冠した上で、いかなるタフな環境下でも、決定的瞬間を捉える目という意味を込め、『G’z EYE』と名づけられた。単にタフなカメラというだけでなく、クールに持ち運べる映像コミュニケーションギアとして、様々なシーンで活用していただきたい。
<ブランドネーミング賞>
任天堂 Nintendo Switch
【特徴】
「持ち運べる据え置き型ゲーム機」として大ヒット。テレビの大画面でも楽しめるが、ドックから本体を取り出すと、本体ディスプレーに画面がシームレスに切り替わる。この特徴に、娯楽体験の変化という意味も込めて「Switch(スイッチ)」とした。着脱可能なコントローラー「Joy―Con(ジョイコン)」は、加速度・ジャイロセンサー、モーションIRカメラ、触感を伝えるHD振動などの機能を持ち、多彩な遊び方が可能。
【担当者の声】
Nintendo Switch 開発チーム
プレイシーンに応じてプレイスタイルを「スイッチ」させ、「いつでも、どこでも、誰とでも楽しめる」。ネーミングに込めたこのコンセプトが多くの人に受け入れられ、楽しんでいる光景が想像され、大変うれしく思う。今後も世界中の方々に喜んでもらえる遊びやサービスをつくっていく。楽しみにしてお待ちいただきたい。
<ブランドネーミング賞>
三菱電機 「Maisart」
【特徴】
「Maisart(マイサート)」はAI(人工知能)が世界の隅々まで普及する時代を見据えた、独自のAI技術ブランドだ。ディープラーニング、強化学習、ビッグデータ(大量データ)分析といった最新のAI技術であっても計算量を大幅に削減し小さくしたのが特徴。これにより機器やエッジ(生産現場)への搭載が可能となり、全てのモノをスマートにできる。人が知的活動として行ってきた認識・識別、原因推定、予兆検知、最適制御、自動化などさまざまな機能をAIが実現する。
【担当者の声】
情報技術総合研究所知能情報処理部長 三嶋英俊氏
多くのネーミング候補の中から開発チーム全員で議論した。「AIで全てのものをSmartに」という無限の可能性を秘めたコンセプトへのおもいを、名前に織り込むという発想がベース。アルファベットの「A・I・S・M・A・R・T」にもこだわって、これらを並び替えて「Maisart(マイサート)」に決めた。
日刊工業新聞2018年3月9日の記事に加筆