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仮想通貨交換業者、新団体設立で信頼回復につながるか

金融庁、“みなし”5社立ち入り検査、混迷収まらず
仮想通貨交換業者、新団体設立で信頼回復につながるか

大量の仮想通貨流出が問題に。質問を受ける大塚雄介コインチェックCOO(中央、2月13日)

 みなし仮想通貨交換業者であるコインチェック(東京都渋谷区)に端を発した仮想通貨流出問題に、仮想通貨業界が混迷している。金融庁は先週、みなし仮想通貨交換業者のうち5社に立ち入り検査に入る方針を明らかにした。既に立ち入り検査が始まっているコインチェックに加え、仮想通貨交換業者のテックビューロ(大阪市西区)、GMOコイン(東京都渋谷区)にも立ち入り検査をしているとみられ、波紋が広がっている。

 麻生太郎金融担当相は16日の閣議後の記者会見で、「(金融庁に登録申請中の)みなし業者15社に対して順次立ち入り検査に入る」と表明した。

 金融庁は1日、コインチェックを除く仮想通貨交換業者16社とみなし業者15社に対し、システムリスク管理態勢に関する報告徴求命令を発出。これを受けて提出された業務などに関する報告書類の内容を審査・分析した結果だという。

 麻生金融担当相は「立ち入り検査を通じて、顧客保護の対応状況を十分に把握し、(企業には)適切な顧客保護が確保されるように取り組んでもらいたい」としていた。

 だがそうした直後に、システムの不具合から顧客の不信感を買うような事態が発生した。テックビューロでは16日夕方、運営する取引所「Zaif(ザイフ)」で、7人の顧客が仮想通貨をゼロ円で購入できる状態が一定時間発生した。顧客への公平性を欠くもので、かつ公表したのが20日と対応が後手に回っている。

 一方、業界団体も自主規制に向けた取り組みに乗り出している。日本仮想通貨事業者協会(JCBA、東京都千代田区)と、日本ブロックチェーン協会(JBA、東京都港区)の二つの業界団体が20日、都内で会合を開き、仮想通貨交換業者16社で新団体の設立に向けて話し合いの場をつくることが提案されたという。早ければ、月内にも新団体設立に向けて合意する見通しだ。

 
日刊工業新聞2018年2月23日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
送金手数料が安いなど仮想通貨のメリットに変わりはないが、コインチェックによる仮想通貨流出以降、顧客の信頼は確実に落ちてきている。信頼の回復に向けて官民による早急な改善策が必要だ。 (日刊工業新聞経済部・山谷逸平)

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