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損保ジャパン、病院向けサイバー保険 情報流出も補償

 損保ジャパン日本興亜は4月に医療機関向けサイバー保険を発売する。病院がサイバー攻撃を受けたことで発生した被害や賠償リスクを補償する。医療機関に特化したサイバー保険は業界で初めて。「ランサムウエア」など企業に対するサイバー攻撃が話題になったが、特に人命を預かる病院で機能が停止すれば大事故につながりかねない。専用保険で医療機関の経営リスクをカバーする。

 加入対象は医療機関で加入期間は1年間。保険料はベッド100床以上の病院で年間35万円から、ベッドを持たない診療所で年間5万円から。サイバー攻撃による事故だけでなく、情報流出による被害なども補償する。

 損保ジャパンは医療ミスなどによる損害賠償リスクを保障する「医師賠償責任保険」を1963年に国内で初めて発売。同種保険では現在も国内トップのシェアを有する。医療機関向けサイバー保険を発売することで、病院の経営リスクをより幅広くカバーする。

 損保ジャパンが属するSOMPOグループは、サイバー攻撃の予防から保険まで一貫提供している。外部企業と連携し、サイバー攻撃の原因調査や緊急時の広報対応支援、コールセンターの立ち上げもサポートする。

 サイバーセキュリティー市場は20年度に国内で1兆円規模になると見込まれており、市場拡大を見据え同社も力を入れる。
日刊工業新聞2018年2月21日
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
医療の効率化や質の向上のため、医療現場でも機器や施設間が「つながる」ことがテーマ。企業の情報システムなどと同様に、医療の世界でもセキュリティーリスクは自ずと高まる。ITの活用と共に、セキュリティー対策の視点も欠かせない。

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