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物流施設の不動産開発、投資衰えず

日本GLPが18年は7件で1000億円
物流施設の不動産開発、投資衰えず

「GLP吹田」外観

 日本GLP(東京都港区、帖佐義之社長)は2018年、物流施設開発に1000億円超を投じる。電子商取引(EC)が拡大しており、大都市圏周辺では高機能な物流施設への需要が依然旺盛。流通加工や組み立て工程の併設といった用途多様化も視野に、積極的な開発投資を継続する。

 日本GLPが18年内に稼働を計画する施設は、千葉県流山市など首都圏と近畿圏が各3棟、中部1棟の計7棟で総床面積は約51万平方メートル。19年以降の稼働施設も首都圏や近畿圏が中心で、汎用性の高いマルチテナント型施設の土地取得や設計・建設に取り組む。

 同社は13年以降、年1000億円に近い規模で物流施設に投資してきた。新規の施設供給に伴う移転需要や用途多様化などが進むとみて、投資を増やす考えだ。

 米不動産サービス大手のCBREの調べによると首都圏の物流施設は18―19年の2年間で、床面積が17年末比で4割増える見通し。EC拡大による需要増に加え、高速交通網の整備で物流適地が広がり、拠点の集約・大型化が加速している。

 日本GLPは国内物流不動産大手でシェアは3割弱。シンガポール政府系の親会社が中国の企業連合に買収され、22日付で社名を従来のグローバル・ロジスティック・プロパティーズから変更して日本法人の体制を強化。これにより「投資判断も迅速化できる」(帖佐社長)という。
日刊工業新聞2018年1月22日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
同業のプロロジス(東京都千代田区)も年500億円規模の投資を継続する方針。最近は建築前から入居企業が決まっている案件も多い。大和ハウス工業は16―18年度の3年間で3600億円を投じる計画。計画を上回るペースで予算を消化し、マルチテナントも積極展開している。 (日刊工業新聞第二産業部・小林広幸)

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