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加熱式たばこの拡大、関連産業の倒産にご用心

贈答用ライターのトレビ、「もうライターの時代は終わりだ」と退職相次ぐ
 贈答品販売のトレビは11月9日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。同社の取扱商品の9割は、飲食店名などが印字された名前入りライターだった。ライターは中国などから仕入れ、印字は自社で行い、飲食店やパチンコ店などに販売していた。

 1982年に設立し、89―99年は年商約5億円で推移。99年頃より100円ショップの流行で、日用品の小売価格が大幅に下落したことでギフト問屋の統廃合が進み、同社の業績にも影響を与えた。そうしたなか、業界では初の90ミリメートルという長さの「シルキーロング」や発光ダイオード(LED)ライト付の電子ライターを発売するなど、商品開発力に定評があった。

 しかし、ネット販売の興隆で、印刷会社もライターへの印字などの小規模の受注をネットで行うようになり、名前入りライターの相場も低下した。単価60―80円程度で売れないと収益が上がらない事業が、単価25円程度でないと売れない状況になってしまった。

 また、リーマン・ショックで個人消費が冷え込み、飲食店が厳しい経営環境に置かれ受注が激減したことも業績悪化につながった。極め付きは、昨今の喫煙に対する厳しい風潮と加熱式たばこの席巻。「もうライターの時代は終わりだ」と、従業員の退職が相次いだ。

 ライターに代わる製品の開発が急務となり、ボールペンなどの名入れ製品にシフトしようとしたが、17年1月期の売上高は約2億8670万円に減少。主力取引行からの融資も途絶え、事務所には不良在庫が積まれ、家賃の支払いも滞り、事業継続困難となった。

 成人男性の平均喫煙率は66年の83・7%から、17年には28・2%まで低下している(JT調べ)。加熱式たばこに移行する喫煙者が増え、使い捨てライターの需要はますます縮小。禁煙化が進むなかで、関連産業は過渡期を迎えている。
(文=帝国データバンク情報部)
日刊工業新聞2017年12月5日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
市場が縮小すると分かっていてもなかなか見切りをつけられないもの。それは大手でも中小でも変わらない。それを打破する一つは、思い切ってなるべぐしがらみのない人物に、経営トップを代えることだろう。

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