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「我は働く!」 存続が決まった直虎ちゃんの未来

地元・浜松はブームを一過性にせず観光資源として定着させられるか
「我は働く!」 存続が決まった直虎ちゃんの未来

家康くん(左)と直虎ちゃん(「おんな城主 直虎」推進協議会公式フェイスブックページより)

 17日が最終回となるNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』。浜松市北区にある大河ドラマ館は9月に目標の来館者50万人を4カ月前倒しで達成。地元の盛り上がりは最高潮に達している。

 印象的だったのが、高橋一生さん演じる井伊家筆頭家老・小野政次。忠臣か奸臣(かんしん)かの両説あるものの、ドラマでは忠臣として壮絶な最期を遂げた。

 徳川家康軍に捕まり処刑されるまでの数カ月間、本拠・井伊谷城跡近くの「竜ヶ岩洞」に身を隠したと地元に伝わる。同洞支配人の小野寺秀和さんは「小野家の子孫を思えば良い展開」と感慨深げだ。

 直虎の時代、浜松の地方大名に過ぎなかった家康は三方ケ原の戦いで武田信玄軍に敗走。隣国の織田信長に翻弄(ほんろう)され、正室と実子を死に追いやる悲劇も経験した。市のゆるキャラ『家康くん』は“神君”となる前の苦難続きの家康へ愛着を込め、くん付けとなったとか。

 実際に歴史の舞台に足を運べば、洞窟で息を潜める政次や悲嘆に暮れる家康が目に浮かぶかもしれない。工業都市のイメージが強い浜松だが、ブームを一過性にせず観光資源として定着できるか。放送終了後も「我は働く」と存続が決まったゆるキャラ『直虎ちゃん』以上の努力が地元に求められる。
日刊工業新聞2017年12月5日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
今回の大河はほとんど見ていない。視聴率はそれほどでもないが、内容についてはなかなか評判が良いらしい。3日の放送でも、信長による家康暗殺計画が本能寺の変の背景にあったという仮説のストーリー。大河しかり朝ドラしかり、また現在放送中の「陸王」しかり。一時的に地元は盛り上がる。しかし、まず地元の人は地元を愛さないと、外の人にも伝わらない。

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