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民泊事業者をIoTで支援。本人確認や騒音対策も

ピクセラが来年からサービス。1室当たり月1万円以下を想定
民泊事業者をIoTで支援。本人確認や騒音対策も

ピクセラが提供するIoTサービス(スマートフォンで室内の温湿度などを確認できる)

 ピクセラは宿泊施設の受け付けの無人化や、騒音トラブルの抑制を支援する民泊事業者向けIoT(モノのインターネット)サービスを2018年に始める。テレビ電話を使って宿泊者の本人確認を行ったり、センサーで騒音を検知して警告したりする仕組みを整える。住宅を宿舎と認める「住宅宿泊事業法」が18年に施行される一方、都心部の民泊特区では騒音などの課題も顕在化している。民泊支援サービスとして提案し、新規参入者のビジネスを後押しする。

 ピクセラは、人の出入りや照明などを遠隔地から管理できる一般家庭向けサービス「conte(コンテ)」を提供している。新たなIoTサービスは、コンテの技術を民泊事業者向けに応用し展開する。サービス料金は今後詰めるが、1室当たり月1万円以下を想定する。事業の目標など詳細は今後詰める。

 宿泊者は事前に通知された暗証番号を用い、玄関の電気錠に入力して入室する。室内にあるテレビ電話機能搭載端末を介し、パスポート写真と宿泊者の顔を照合するなどして本人確認を行い、チェックイン・アウトを無人化する仕組み。宿泊料金はインターネット決済などで民泊事業者による事前回収が必要となる。

 民泊で課題の騒音対策機能も備えた。話し声などが一定音量を上回ると、天井に設けたセンサーが感知。リビングに置いたタブレット端末が警告音を鳴らし、画面で通告する。

 民泊事業者はスマートフォンで室内の温湿度や明るさ、施錠状況、人の有無などを遠隔管理できる。チェックアウト後の空調や照明の消し忘れ確認も行え、光熱費の低減も見込める。

 ピクセラはパソコン周辺機器の開発・製造・販売を手がけ、IoTサービスなど新規事業に力を入れている。
日刊工業新聞2017年9月21日
八子知礼
八子知礼 Yako Tomonori INDUSTRIAL-X 代表
 比較的汎用的な技術やデバイスの組み合わせで、アイデア次第でこうした"困っていること"に着目した省力化や自動化のソリューションが実現できる。  まだまだIoTへの取り組みは"高い"、"難しい" と思っている利用者側企業が多いが、困っていることに対するコストメリットが腹落ちするレベル(採用説得しやすい目安は売上の5%程度、この場合最大で200~300円/日)になれば採用は進むはずだ。

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