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東京都の戦略特区、“ワンストップ”へ一歩一歩

自動走行実証などが動き出す
 政府は4日、第18回東京圏国家戦略特別区域会議を開き、東京都が提案した自動走行システムの実証実験に関する「東京自動走行ワンストップセンターの設置」など計6件を了承した。

 今後区域内で国と都が実施する実証実験について、都の同センターに情報を集約。知見や経験を蓄積し、自動走行システムの最先端の実証地を目指す。会議ではこの他、国際金融都市の実現に向けた国家戦略特区税制の拡充なども了承した。

 小池百合子知事は同センターについて、「自動車産業は国家間で競争が繰り広げられているので、より迅速に進めていくため都としてサポートしていく。9月中に設置する」とした。

 また国際金融都市実現に関し、資産運用業・フィンテック(金融とITの融合)分野で都内に高度人材を呼び込むため、「所得控除制度の適用対象にしていただくよう配慮をお願いした」と話した。
日刊工業新聞2017年9月5日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
自動運転実証実験のワンストップセンター設置はイノベーション推進に向けて東京が先陣を切るもの。一定の条件を満たすフィンテックと資産運用業者向けの所得控除は、都の法人2税引き下げとの合わせ技で、戦略分野の法人税実効税率の時限的な20%台前半への引き下げを実現するもの。本来なら法人税率自体を引き下げるのが筋だが、一歩一歩前に進めている格好だ。

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