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しまむら、ネット通販検討。慎重姿勢から一転

「EC(電子商取引)研究プロジェクト」を立ち上げ
 しまむらはネット通販への参入を見据え、社内に「EC(電子商取引)研究プロジェクト」を立ち上げた。顧客からの店頭にない商品の注文を簡略化する方法を研究するとともに、ICタグ(電子荷札)の導入も検討する。しまむらはECやICタグ装着には慎重な姿勢だったが、業界のEC化が進展しているため、「デジタル」にシフトする。

 これまで顧客の要望する色や柄、サイズが店頭にない場合、顧客にカタログを見せて注文を受けるといった対応をとっており、時間がかかっていた。EC研究プロジェクトでは、A店からB店に商品を店舗間移動する方法だけでなく、店頭のタブレット端末と本社の在庫管理システムを接続。顧客に商品を示しながら受注などに迅速に対応する仕組みなどを研究する。

 顧客は商品を店頭でも宅配ボックスなどでも受け取れるようにしたい考え。こうした仕組みを発展させてウェブサイトを通じたネット通販の実現につなげることも検討する。

 また、3年後をめどにグループ約2000店のレジ刷新に合わせ、ICタグによる店舗作業の簡素化を検討する。しまむらでは現在ICタグ導入にあたっての店頭体制や在庫管理体制のシミュレーションなどを行っている。

 レジの刷新後は、従来対応していなかった電子マネーやポイント付与も始める予定だ。レジの刷新はすでにベビー・子ども服業態である「バースデイ」で始めており、同業態でまず10月以降にレジでの電子マネー対応を始めるという。
日刊工業新聞2017年8月16日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
しまむらはネット通販がなく、商品情報や在庫状況も詳しくネットに出ていないため、若い女性の間では「しまパト(しまむらパトロール)」なる言葉が使われています。「行ってみなければわからない」という状況が店舗にこまめに足を運ぶ動機にもなっているように思います。かといって今の状況は顧客にとっても不便。バランスが難しいところです。

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