名古屋の加工メーカーにみる、売上高50億円規模でもIoTを使いこなす術

名南精密製作所、工具交換を事前に予測。クラウドに抵抗感なし

 名南精密製作所(名古屋市南区、高桑明良社長1)が、自動車部品などを生産する自社工場でIoT(モノのインターネット)技術を用いた生産改革を進めている。生産設備ごとに加工時間や負荷などを測定し、工具の交換予測などに生かす取り組みで、6月中旬には製品の検査記録をリアルタイムで把握できるシステムも本社工場に試験導入した。生産に関わるビッグデータを集め、品質向上につなげる。

 自社開発の「名南稼働状況システム」の運用を始めた。数年前に導入した既製システムを参考に、より必要な生産データを取得するため自前で開発した。

 システムでは、旋盤などの稼働状況や操作履歴、工具使用数、消費電力などの生産データを抜き出す。これにより工具の交換時期を事前に予測できるほか、データをクラウド上に送信することで離れた場所からも生産の状況をリアルタイムで把握できるようにした。

 製品の検査結果をデータ化する取り組みも始めた。検査設備につないだパソコンから測定結果をネットワーク上に送信。不良発生に即座に対応できる。現在は本社工場で試験導入しており、篠山工場(兵庫県篠山市)にも今後導入していく考えだ。

 名南精密製作所は自動車のエンジンバルブ部品やターボチャージャー部品などの切削加工が主力。16年7月期の売上高は約45億円。フィリピンやベトナムにも工場を展開している。

日刊工業新聞2017年7月17日

八子 知礼

八子 知礼
07月18日
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 名古屋本社を中心に兵庫県篠山市、フィリピン、ベトナムに生産拠点を持つNC旋盤での軸物精密切削部品加工メーカー、名南精密製作所。売上高が約50億のこの会社でも、加工設備機器の稼働状態データを抜き取ってクラウド上に保管し、海外や国内他地点工場の稼働状態を把握、比較してメンテナンス時期を予測する仕組みを構築。多くのアセットを持つ大企業よりも日本に多いこの規模の元気な企業が積極的にIoTに取り組んで競争力を確保しようとする事の方が実現は早い。
 クラウド上にデータを上げるのは不安と言って先延ばしにする企業と、こうして率先して取り組む企業との差が開くのは、5~7年前のクラウドの普及期ですでに立証されていること。中堅企業をはじめ、是非このような取り組みに倣ってスピーディにオペレーションモデルを変えていっていただきたいものだ。

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