東京・渋谷区、五輪に向け「世界を驚かせる街づくり」

若者の感性と多様性生かす

 東京都渋谷区の街づくりはユニークだ。基本構想は「ちがいをちからに変える街」。年齢、性別、障がいの有無とさまざまな違いがある人たちが、自分らしい生き方を見つけるため、違い(多様性)を生かす取り組みを積極的に行う。2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、若者によるアイデア創出を起点として「世界を驚かせるような街づくり」を目指す。

 区の五輪関連予算は17年度が約2900万円。最も力を入れるのは多様性の象徴である障がい者スポーツだ。練習場が少ないため、区内スポーツセンターで定期的にパラリンピック日本代表選手に練習場を開放している。

 パラバドミントンでは金曜日の夜3時間について、コート10面のうち2面を開放。「一般利用者と日本代表選手との交流の場にもなっている」とオリンピック・パラリンピック推進課の田中豊課長は効果を実感する。

 また、18―29歳の120人が渋谷の未来の街づくりに向けアイデアを出す「渋谷民100人・未来共創プロジェクト」を進める。スポーツ、文化など4分野で30人ずつに分かれ12月のコンテストに向け案を出し、採用案は企業や区が実行する。健康・スポーツ分野の第1回ワークショップでは大学1年生から社会人までが参加し真剣に議論。桐蔭横浜大学に通う橋新功一さん(22)は「スポーツで社会課題を解決してみたいと思った」と話す。

【記者の目】
 渋谷区内は東京体育館と代々木競技場で5種目の競技が行われる。「渋谷民100人」のように若者が多い区の特性を理解し、生かす姿に区の成長性が感じられた。若者が社会の意思決定プロセスに参加することで未来の人材育成につなげる。課題解決をオープンな参画で進める方式は持続的な仕組みづくりのモデルケースと言える。
(大串菜月)

日刊工業新聞2017年6月20日

斉藤 陽一

斉藤 陽一
06月22日
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「ちがいをちからに変える」というキーワードは区のホームページのトップ画面にも表示されており、同区の力の入れようがうかがえます。スポーツ関連では、区と青山学院、日立製作所の産学官連携でバスケットボール文化を振興する取り組みも2016年から始まっています。こうした産学官連携の枠組みが五輪に向けた街づくり、未来を担う人材育成にも波及することを期待したいです。

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