「トワイライトエクスプレス瑞風」運行!迎え撃つJR各社の豪華列車
JR西日本、企画に3年以上。旅人を癒やせるか
上質さの中に懐かしさを-。JR西日本は17日、豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」の運行を開始した。1989年7月から15年3月まで運行してきた大阪-札幌駅間の「トワイライトエクスプレス」を引き継ぐ。10両編成で3クラスの客室を設け、最大定員は34人とする。関西と中国地方を結ぶ片道、周遊タイプで、山陽本線と山陰本線を経由する計5コースを用意した。
車体は緑を基調に金色の装飾を施す。開放的な車窓や展望デッキを備え、瀬戸内海や日本海など、沿線の景色や風を体感できる。
食事にも西日本の食材や伝統工芸品の茶器などを提供する。途中立ち寄り観光を実施し、土地の歴史文化や自然に触れられる。三輪正稔執行役員京都支社長は「沿線の魅力を五感で感じてほしい」と期待を込めた。
一足早く5月に運行を始めたJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」。両社ともに、企画から運行開始まで3年以上をかけ、外観、内装ともに贅(ぜい)を尽くした列車となっており、料金は1人100万円以上するコースもある。
JR東日本の冨田哲郎社長は「乗ることが目的の列車を作ることで、新たな需要を掘り起こしたい」と話す。
こうした観光列車の火付け役は、JR九州だ。JR九州は「D&S(デザイン&ストーリー)列車」と称して、人口減少で厳しい経営環境にある路線に趣向を凝らした列車を次々と走らせ、鉄道事業を活性化。路線網の維持につなげている。
その集大成が13年に運行を始めた「ななつ星in九州」だ。ななつ星は1泊2日で25万円を超える価格帯や、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏による車両のデザインなど、話題を集め、予約倍率は最高で37倍と、人気を博している。
観光列車は収益に直結するものではないが、JR九州のブランド力を上げ、上場の原動力にもなった。JR九州の青柳俊彦社長は「JR東日本やJR西日本も豪華列車を走らせるが、お客さまの獲得には自信がある」と先駆者としての意地をみせる。
今日から動き出した「瑞風」に人気が出るかどうかは、車両の豪華さだけでは予想できない。食事やサービスはどうか。車窓の風景や立ち寄り観光地に魅力があるかどうか。そしてなにより、旅先での人々とのふれあいによって旅客の印象は変わる。
「瑞風」が主に巡るのは中国地方。尾道や宮島、岩国など、瀬戸内海に面して多くの観光地が点在する。きらめく初夏の穏やかな海が、旅人を癒やす必要がありそうだ。
車体は緑を基調に金色の装飾を施す。開放的な車窓や展望デッキを備え、瀬戸内海や日本海など、沿線の景色や風を体感できる。
食事にも西日本の食材や伝統工芸品の茶器などを提供する。途中立ち寄り観光を実施し、土地の歴史文化や自然に触れられる。三輪正稔執行役員京都支社長は「沿線の魅力を五感で感じてほしい」と期待を込めた。
一足早く5月に運行を始めたJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」。両社ともに、企画から運行開始まで3年以上をかけ、外観、内装ともに贅(ぜい)を尽くした列車となっており、料金は1人100万円以上するコースもある。
JR東日本の冨田哲郎社長は「乗ることが目的の列車を作ることで、新たな需要を掘り起こしたい」と話す。
「ななつ星」、先駆者の意地
こうした観光列車の火付け役は、JR九州だ。JR九州は「D&S(デザイン&ストーリー)列車」と称して、人口減少で厳しい経営環境にある路線に趣向を凝らした列車を次々と走らせ、鉄道事業を活性化。路線網の維持につなげている。
その集大成が13年に運行を始めた「ななつ星in九州」だ。ななつ星は1泊2日で25万円を超える価格帯や、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏による車両のデザインなど、話題を集め、予約倍率は最高で37倍と、人気を博している。
観光列車は収益に直結するものではないが、JR九州のブランド力を上げ、上場の原動力にもなった。JR九州の青柳俊彦社長は「JR東日本やJR西日本も豪華列車を走らせるが、お客さまの獲得には自信がある」と先駆者としての意地をみせる。
今日から動き出した「瑞風」に人気が出るかどうかは、車両の豪華さだけでは予想できない。食事やサービスはどうか。車窓の風景や立ち寄り観光地に魅力があるかどうか。そしてなにより、旅先での人々とのふれあいによって旅客の印象は変わる。
「瑞風」が主に巡るのは中国地方。尾道や宮島、岩国など、瀬戸内海に面して多くの観光地が点在する。きらめく初夏の穏やかな海が、旅人を癒やす必要がありそうだ。
日刊工業新聞電子版2017年6月17日の記事に加筆