オンワードが若い女性向け衣料を共同開発するのは、LINE前社長の動画サイト

C CHANNELとブランド立ち上げ。「買いたくなるような動画を作る」

 オンワードホールディングス(HD)はC Channel(シーチャンネル、東京都渋谷区)と組んで開発した、20―30代女性向けブランド「Two Faces(トゥー フェイシーズ)」の衣料品や雑貨を15日に発売する。約150アイテムを展開する。シーチャンネルは女性向け動画メディアを手がけており、同社の人気動画投稿者の意見を生かした。オンワードHDの主要販路は百貨店だが苦戦しており、新たな顧客獲得を目指す。

 ワンピース(写真)の場合で消費税抜きの価格は5900―7900円と、オンワードHDの商品の中では低価格だ。販路を電子商取引(EC)サイトに限定することで、家賃や人件費といったコストを抑えた。リバーシブル仕様にするなどの工夫により、仕事とプライベートの両方で使えるようにした。

 オンワードHDの保元道宣社長は「我々との接点が少ない層向けの商品を作りたかった」と、協業の狙いを話す。また、シーチャンネルの森川亮社長は「若い世代はコストパフォーマンスを意識している。買いたくなるような動画を作る」とし、相乗効果を促す。

日刊工業新聞2017年3月9日



森川亮の「シンプルな哲学」


                  

―初著作ですがとても分かりやすいうえ、本質的でユニークなことが書かれています。「差別化は考えない」、「イノベーションは目指さない」とか。一番伝えたかった部分は。
 「必要ないものは載せないように書いたのでどれも意味がある。『ここだけ抜き取ってやります』だと、社内も混乱する。実践して行く上で最も難しいのは、全部セットで進めていくこと」

 ―森川さんは「未来」に楽観的ですね。
 「日本人は先が見えないことをすぐ批判する。計画がないとか、社長のビジョンがないとか。そんなのはどうでもいい。大切なのは個人がどう考え、行動するか。その結果として未来がある。コスト削減より、未来に投資して成長する方が日本のためになる」

 ―企業が成長するにはヒット商品が欠かせません。
 「企業にはそれぞれ課題があるが、結局ヒット商品を出すことで経営環境は変わる。ではどうすればヒット商品が生まれるかといえば、社長や上司の評価を得るためではなく、徹底的にユーザー目線になるしかない。中間管理職が出世を考えている組織から、絶対にヒット商品は出ない」

 ―本の中でも「経営は管理ではない」という言葉があります。
 「大量生産で価値が創出できる時代ではない。新しい価値観を大切に、ある程度任せながら自由にやらせた方がイノベーションが生まれやすい。すごい人は空気を読まずに突き進む。『空気を読む人』は、ささいなことに気をつかって本質を見ていない。その瞬間、誰かを傷つけても、正しい選択をすることの方がよっぽど重要。空気を読んでいけないのは経営者も同じ。”優しい経営“と見られたら意思決定が難しくなる」

 ―森川さんをみてると、思考も行動も柔軟だな、と感じます。
 「変なこだわりがないので。『シンプルに考える』は僕の信条で。悩むことをやめたとも言える。あれも大事、これも大事とリソースを分散させると、ユーザーニーズという本質に応えることができない。役職や年齢に関係なく、能力と情熱のある人が、リーダーシップを発揮し、他社より早くサービスや商品を出すことに徹するべきだ」

 ―社員の企画や提案はどのように選別し、見分けるんですか。
 「独りよがりではまずいが、そのサービスや商品を『これは絶対に面白い、必ずいける!』という実感が本人にあるかどうか。単なる数字を積み上げたプランは深みがない。新事業はアイデアを出すことではない。それを見抜くのもトップの役割」

 ―本に書かれていることはLINEの社長になってから、言葉としてまた行動として整理できるようになったんですか。
 「社長になる前と社長になった後でずいぶん変わった。ナンバー2や3の人は、事業をうまくやれば会社を経営できると思いがち。いざ社長になると事業はほんの一部で、『経営』とはどういうことなのか、ということとしっかり向き合わないといけない。そこからすごく学びがある」

日刊工業新聞2015年08月03日

日刊工業新聞2017年3月9日

明 豊

明 豊
03月09日
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最初はどうなるかと思っていたけど、さすが森川さん。事業拡大の手順がしっかり分かっている。オムニチャネルへも着実に布石を打ちつつあるよう。昨今の百貨店不振とは対照的。

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