味の素がテレワーク全部門に導入。当日の在宅勤務申請もOK、日数も制限なし

7時間労働へ「働き方改革」本格スタート、打ち合わせ会議は原則廃止

 味の素は、多様な人材の活躍を目指した「働き方改革」の取り組みをスタートした。長時間残業が当たり前の日本流の働き方を脱却し、2017年度に1日当たり所定労働時間を20分短縮して7時間15分に、20年度に7時間を目指す。このためテレワークを10月から本社部門などで先行導入、17年4月に全部門へ拡大する。従業員に渡す画像認識パソコンなどに、17年度は10億円強を投じる計画だ。

 テレワークを先行導入した4部門では、役員・社員の一人ひとりがパソコンを持ち“どこでもオフィス化”を推進。保育園の送り迎えや老親の介護などに加え、得意先営業、遠出の出張などにかかる時間やコストを削減。「地方営業では遠出が日常的。往復の移動時間もばかにならない。工場や研究所の仕事もかなり効率化できる」(栃尾雅也取締役常務執行役員)という。

 理想像はグローバルで誰でも働け、従業員がやめない会社。出産や育児でやめる女性社員は多いが、「仕事を続けたいのに、制度の不備でやめる例が多かった。

 テレワークを始めると、14時に退社した自宅勤務の女性の方が一般社員より仕事をすることがわかった」(同)。味の素では当日の在宅勤務申請も認めるほか、日数も制限なし。さらに管理職は週1回以上の制度利用義務づけを検討中だ。

 打ち合わせや情報共有の会議は原則廃止、意思決定する会議だけに限定。パソコン上で情報共有・打ち合わせて、意思決定の会議資料も事前に関係者が目を通し、会議時間を最小限にする。

 同社が会議時間を調べると、グループ長や組織長など上層部ほど長時間で、資料作成やメール返信など合計1日10時間近くかかっていた。会議に追われ、自分の仕事ができない計算だ。

 一方で残業手当や休日手当減による収入減を心配する社員も多い。「労働組合と話し合い、残業代が減っても基本収入は減らないようにすると説明している。残業時間の多さでなく、仕事の成果で反映する」(同)。

 社員から見れば、定時退社してもメールや資料作成などITで拘束される不安もある。「22時以降や5時までは海外など特別な場合を除きメールを出さないとか、休日は送らないようにする仕組みも検討中」としている。

日刊工業新聞2016年12月26日

明 豊

明 豊
12月27日
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会社は宗教のような側面もある。会社に毎日通うのは人と集って安心感を求めているのかもしれない。でも会社との関係・働き方が変わってくる。そうなると、自分の暮らしをどう作るのか、自分と社会との関わりをどう作るのか、考えることが求められる。

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