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若手研究者発のロボットに出会える!「Robotics×Future 2016」
3月18日、ベルサール汐留(主催:科学技術振興機構)
科学技術振興機構(JST)は学生等の若手研究者によるロボティクスベンチャー創出を支援する。対象は、大学などでロボティクスについて研究していながら、製品化、事業化までに少し距離がある若手チーム。ロボットベンチャー経営者やロボティクス分野専門家のメンターからアドバイスを受けながら試作製作を進め、3月18日にベルサール汐留にて開催される展示会「Robotics×Future 2016」にてデモンストレーションとプレゼンテーションを行う。
同展示会には「サービス・モビリティ」「ヘルスケア・介護」「インフラ・点検」「インタフェース・アクチュエータ」「マニピュレータの社会実装」といったテーマに沿って18チームが出展。その中から4チームを紹介する。
●人と球体自律走行ロボット群の協調パフォーマンスシステムの開発/神戸大学 土田 修平
球体ロボットの群が人(パフォーマー)の動きと連動・協調して動き、観客を楽しませる。搭載されたLEDの光るパターンを変化させることで、幻想感を演出するだけでなく、球体ロボットが現実には不可能な動きをしているかのように錯覚させる効果をねらう。
将来的には、ライブロボットエンターテインメントを提供する事業としての立ち上げを視野に入れている。まずは様々なエンターテインメントの現場で実際に使ってもらう機会を作り、どのようなパフォーマンスとの相性が良いのかを模索したいという。共にライブエンターテインメントを究めていけるようなパフォーマンスグループや、イベントの主催者・興行主との出会いを求めている。
●テレプレゼンス育児支援ロボット/電気通信大学 阿部 香澄
育児に悪戦苦闘していた開発者自身が、「手が離せないちょっとの間、離れて暮らす祖父母に子どもをみてもらえたら…」と考えたことが開発のきっかけ。乳幼児のそばにいるロボットを通し、遠隔地からタブレットなどを使って子どもの顔をみながらビデオチャットができる。一人で子どもをみることの多い核家族世帯の育児を助けると同時に、離れて暮らす祖父母や単身赴任中の親にとっても、子どもとのコミュニケーションの機会を増やす存在になると考えている。
子どもの発達という観点から、ただ動画を見せるような機能はつけていない。通話相手は、ロボットのもつ“ハンド”を使って子どもと遊ぶことができ、子ども自身の想像力で遊びを広げられる。ユーザーテストを繰り返しながら試作品をブラッシュアップし、2年ほどでの製品化を考えている。
●社会インフラ構造物を対象とした自走式小型点検ロボットの開発/東京工業大学 阿久津 絢子
社会インフラ構造物には目視点検が困難な狭隘部、危険で接近困難な部位などが多く、維持管理を継続するために多大なコストと労力が必要である。そこで、より安全で簡易・安価に点検作業を実施するための自走式ロボットと、その点検機能の開発を目指している。
ロボットの足についたエアパッド(負圧吸盤)の内部を真空状態にして構造物表面に吸着し、エアシリンダの伸縮により走行する。シンプルな制御機構により、レール等の付帯設備が不要で、小型・軽量なロボットを実現した。搭載した小型カメラと加速度センサにより、近接目視点検や、構造物に損傷が生じていないかの異常検知等が可能。開発当初は、コンクリートなど粗い表面に吸着しない、摩擦によりエアパッドが滑らかに動かない等の問題があり対策に苦労したが、本体の軽量化や負圧供給方法の検討、新たなエアパッドの開発等により、様々な素材の構造物での使用を可能にした。
●睡眠時のいびき・低呼吸状態を改善するための頸部昇降アクチュエータを搭載した枕型デバイス/奈良先端科学技術大学院大学 西村 祥吾
「今日もよく寝た、また一日頑張ろう」と思える毎日を創ろうと考え、睡眠に対する悩みを解決する枕型デバイス「Pillojoy」を提案した。内蔵された圧力センサによって、睡眠時の姿勢を判定。いびきをかきやすい姿勢になったことを検知すると、エアポンプによってゆっくりと枕の高さを調節し、気道を確保しやすい姿勢に導く。試作品を自ら使ってみては寝心地を確かめ、外部の声も取り入れながら5回にわたるフルモデルチェンジを繰り返して、理想の形状にたどり着いた。
量産化の目処が立ち次第事業化予定。技術面やマーケティングに特化したメンバーも募り、今後は、海外展開やユーザの業種に特化したデバイスの展開を狙っている。また、センサデバイスに特化した企業とのコラボレーションにも意欲を持っている。
<次ページ:ロボティクスベンチャーの現状、展示会のみどころは?>
パフォーマンス、育児支援、インフラ点検…多彩なロボットが出展
同展示会には「サービス・モビリティ」「ヘルスケア・介護」「インフラ・点検」「インタフェース・アクチュエータ」「マニピュレータの社会実装」といったテーマに沿って18チームが出展。その中から4チームを紹介する。
●人と球体自律走行ロボット群の協調パフォーマンスシステムの開発/神戸大学 土田 修平
球体ロボットの群が人(パフォーマー)の動きと連動・協調して動き、観客を楽しませる。搭載されたLEDの光るパターンを変化させることで、幻想感を演出するだけでなく、球体ロボットが現実には不可能な動きをしているかのように錯覚させる効果をねらう。
将来的には、ライブロボットエンターテインメントを提供する事業としての立ち上げを視野に入れている。まずは様々なエンターテインメントの現場で実際に使ってもらう機会を作り、どのようなパフォーマンスとの相性が良いのかを模索したいという。共にライブエンターテインメントを究めていけるようなパフォーマンスグループや、イベントの主催者・興行主との出会いを求めている。
●テレプレゼンス育児支援ロボット/電気通信大学 阿部 香澄
育児に悪戦苦闘していた開発者自身が、「手が離せないちょっとの間、離れて暮らす祖父母に子どもをみてもらえたら…」と考えたことが開発のきっかけ。乳幼児のそばにいるロボットを通し、遠隔地からタブレットなどを使って子どもの顔をみながらビデオチャットができる。一人で子どもをみることの多い核家族世帯の育児を助けると同時に、離れて暮らす祖父母や単身赴任中の親にとっても、子どもとのコミュニケーションの機会を増やす存在になると考えている。
子どもの発達という観点から、ただ動画を見せるような機能はつけていない。通話相手は、ロボットのもつ“ハンド”を使って子どもと遊ぶことができ、子ども自身の想像力で遊びを広げられる。ユーザーテストを繰り返しながら試作品をブラッシュアップし、2年ほどでの製品化を考えている。
●社会インフラ構造物を対象とした自走式小型点検ロボットの開発/東京工業大学 阿久津 絢子
社会インフラ構造物には目視点検が困難な狭隘部、危険で接近困難な部位などが多く、維持管理を継続するために多大なコストと労力が必要である。そこで、より安全で簡易・安価に点検作業を実施するための自走式ロボットと、その点検機能の開発を目指している。
ロボットの足についたエアパッド(負圧吸盤)の内部を真空状態にして構造物表面に吸着し、エアシリンダの伸縮により走行する。シンプルな制御機構により、レール等の付帯設備が不要で、小型・軽量なロボットを実現した。搭載した小型カメラと加速度センサにより、近接目視点検や、構造物に損傷が生じていないかの異常検知等が可能。開発当初は、コンクリートなど粗い表面に吸着しない、摩擦によりエアパッドが滑らかに動かない等の問題があり対策に苦労したが、本体の軽量化や負圧供給方法の検討、新たなエアパッドの開発等により、様々な素材の構造物での使用を可能にした。
●睡眠時のいびき・低呼吸状態を改善するための頸部昇降アクチュエータを搭載した枕型デバイス/奈良先端科学技術大学院大学 西村 祥吾
「今日もよく寝た、また一日頑張ろう」と思える毎日を創ろうと考え、睡眠に対する悩みを解決する枕型デバイス「Pillojoy」を提案した。内蔵された圧力センサによって、睡眠時の姿勢を判定。いびきをかきやすい姿勢になったことを検知すると、エアポンプによってゆっくりと枕の高さを調節し、気道を確保しやすい姿勢に導く。試作品を自ら使ってみては寝心地を確かめ、外部の声も取り入れながら5回にわたるフルモデルチェンジを繰り返して、理想の形状にたどり着いた。
量産化の目処が立ち次第事業化予定。技術面やマーケティングに特化したメンバーも募り、今後は、海外展開やユーザの業種に特化したデバイスの展開を狙っている。また、センサデバイスに特化した企業とのコラボレーションにも意欲を持っている。
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