国際線ネットワークとサービスに磨きをかけるANA「首都圏デュアル・ハブ」戦略

新規就航地点、東南アジア路線サービス拡充、ボーイング787投入

 全日本空輸(ANA)の国際線ネットワークがさらに広がる。10月25日に就航した成田-ブリュッセル線に続き、12月11日には、海外39都市目となるシドニーに羽田から就航する。2014年3月以降の新規就航地点はハノイ、バンクーバー、デュッセルドルフ、ヒューストン、クアラルンプールなど7地点にのぼる。ますます便利になるネットワークに加え、航空会社の調査・格付けなどを行う英・スカイトラックスのエアライン・スター・ランキングで3年連続5スターを獲得するなど、サービスにおいても、そのレベルの高さを証明。ANAは国内航空会社として最大の国際線ネットワークとサービスに、今後もさらに磨きをかける。

急速に広がる国際線ネットワーク


 ANAは羽田空港の国際線発着枠が拡大された2014年3月に羽田-ハノイ線、羽田-バンクーバー線、成田-デュッセルドルフ線を就航。15年には、成田-ヒューストン線、成田-クアラルンプール線、成田-ブリュッセル線に相次いで就航するなど、新規就航地点の拡大で、国際線ネットワークを急速に広げている。

 10月25日には、5月の航空交渉で就航が決定した羽田-広州線を新設し、北京線、上海線を増便。2016年2月には、羽田の深夜早朝時間帯の発着枠を活用し、羽田-上海線をもう1往復増やす。羽田と成田を合わせて東京~上海を結ぶ路線を6往復に増便し、激増する訪日中国人に対応。旅客需要の取り込みを加速する。

 ANAの国際線のネットワーク戦略のカギとなっているのが、「首都圏デュアル・ハブ」戦略だ。羽田は国際線と国内線の乗り継ぎ拠点、成田は北米-アジア間の三国間流動の乗り継ぎ拠点と位置づけ、新規路線もこの戦略に基づいて開設している。

 マーケティング室ネットワーク部の新堀俊氏は「羽田の国際線では当社が便数、就航地点ともに最大で、選択肢が多いのが強み。成田はアジアと北米を接続する地点として、双方向での品揃えを強化しており、どちらから出発してもスムーズに最終目的地に行けるようになっている」と話す。

ビジネスクラスのフルフラットシート導入


 国内最大の国際線ネットワークをもつ航空会社として、サービスでも差別化が進む。10月25日からは、すでに導入を完了していた欧州6路線に加え、北米本土の9路線でも、ビジネスクラスのフルフラットシート導入を完了。これにより、ほぼすべての長距離路線において、ビジネスクラスでフルフラットシートを提供している。

 中距離の東南アジア路線でも、サービスの強化を進める。シンガポール線やバンコク線などに長距離路線と同じく米ボーイング787型機を投入し、ビジネスクラスとエコノミークラスの中間に当たる「プレミアムエコノミー」を導入。日本を経由して北米と東南アジアを往来する旅客が拡大していることなどに対応し、東南アジア路線でも欧米線並みのサービス向上を目指す。

 東南アジア路線のサービス強化の一例に機内食がある。シンガポール、バンコク、ジャカルタ線のビジネスクラスでは、従来トレーでまとめて提供していた機内食を、一品ずつ提供するコース形式に変更。中距離は飛行時間が短いため、客室乗務員を1人増やして対応している。成田―シンガポール線では、ファーストクラスも導入している。

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