今からでも間に合う「マイナンバー制度」対応の必見ポイント!

日立グループを総力取材。コスト負担だけでない将来の効果とは?

 社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)が2016年1月から運用開始される。半年を切ってもまだ対応に苦慮している企業も多いのではないか。今からでも間に合う迅速な導入と押さえておくべきポイントを、7月に新たなマイナンバー対応サービスを発表した日立システムズへの取材を通して紹介する。

 「まずは社内で何とかしよう」と考えるのが自然だが・・

 マイナンバー制度とは、国民一人ひとりに番号を付番し、複数の機関に存在する情報を番号によりひも付けることで、社会保障・税分野の情報連携を実現する制度。これにより、効率性、透明性が向上し、給付や負担の公平性を確保できるようになる。

 2015年10月に番号が通知され、2016年1月から個人番号カードの交付や個人番号の利用が開始され、2017年7月には自治体間での情報連携が開始される予定だ。企業は今後永続的に、従業員などのマイナンバーの適切な取り扱いへの対応が求められることになる。
 
 企業は社会保障や税の手続きに必要な「従業員とその扶養家族のマイナンバー」を預かって管理し、源泉徴収票などの法定調書にはマイナンバーを記載して行政機関に提出しなければならない。人事・総務や経理部門の担当者は、それぞれにやるべき流れは分かっているだろう。「まずは社内で何とかしよう」と考えるのが自然だ。
 
 法定調書を全社横断で見ている人が少ない

 ところが、全社を横断的に見ている人は少ないのではないだろうか。社員以外に法定調書を出している部門はかなりあるからだ。厄介なのは、マイナンバーの適正な取り扱いに関する安全管理措置義務が企業に課されており、情報漏えいした企業には厳罰が設けられていることだ。当然、部門をまたいだ安全基準を設けざるを得ない。

 当初は「ソフトウェアの改修で対応できる」と考えていた企業も多かったはず。その方が費用は安くて済む。しかし、全社で安全基準を満たしていくとなると、「取扱い状況を把握する手段を整備」「関係者への教育を徹底」「専用の管理部屋を設置」「専用ネットワークを敷設」という具合に、どんどんコストが積み上がってしまう。

 一括で外部委託したいというニーズに最適な「BPO」とは?

 日立システムズの中田龍二クラウドサービス拡販本部長は、「ソフトウェアの改修は技術の問題。それを含め組織、人、物理という四つの視点で対応が必要になる。それらを勘案すると、自社で運用するよりも外部委託した方がよいというニーズが一気に増えてきた」と話す。

 日立グループでは、日立製作所、日立システムズ、日立ソリューションズなどが連携し、コンサルティングからシステム改修・運用支援、セキュリティーサービス、教育支援まで幅広くサービスを提供してきた。しかし、外部事業者に一括して委託したいというニーズの高まりを受けて、「マイナンバー対応BPOサービス」を新たに開始した。

 サービスは、日立グループのノウハウを活用し、マイナンバーの収集や登録・破棄までの一括管理と、法定調書への印刷代行、ヘルプデスクまでを行う。利用する企業は、現行業務やシステムを大きく変えずにマイナンバーの管理と運用が可能になる。また、セキュリティ対策も徹底しているのも特徴。

 業務プロセスを見直すきっかけに

 マイナンバーの収集は、専用収集キットを利用して郵送で授受する。登録作業は機密性の高い専用の独立区画で行われ、インターネットと直接接続しない場所に設置された「マイナンバー管理システム」を活用し、第三者が利用できないように高度な手法で暗号化した上で管理される。

 このサービスを利用することで、マイナンバーの管理や運用業務に多くのリソースを割く必要がなくなるほか、短期間でセキュアな運用・管理体制を整備することが可能だ。
現在も対応方法を迷っている企業にとって、良い解決策の一つになるだろう。

 マイナンバー対応は企業にとって義務でありコストもかかる。中田本部長は「マイナンバー制度対応を契機に業務プロセスを見直し、ガバナンス強化や業務の全体最適化を図ってはどうか」と提案する。

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