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クールジャパン予算に新機軸、「聖地巡礼」も起爆剤に

経産省、補正予算60億円。訪日客呼び込み地方創生 
 経済産業省は外国人観光客の来訪を通じて地方創生を推進する事業を展開する。中小企業と地方自治体が連携した商品開発・販路開拓などに補助金を付けるほか、新たな名産品やサービスの創出に向けた企業の事業再編を後押しする。日本の魅力を発信する「クールジャパン」戦略はアニメーションや日本食などの海外展開が中心だった。新たに国内滞在型の事業を展開し、2020年までの訪日外国人観光客4000万人達成に弾みを付ける。

 17年度補正予算に「インバウンド型クールジャパン推進事業」として60億円程度を盛り込む。20年の東京五輪・パラリンピック開催を控え訪日外国人の増加が見込まれる中、地域の魅力を高めて観光消費を促す。

 インバウンド型クールジャパン推進事業では、歴史的構造物を中心とした街並みの整備や、名所や食文化などを組み合わせた文化イベントの開催、観光プログラム作りを支援する。さらに地域文化資源や地場産品を活用した新商品開発や販路開拓など、観光客に地方滞在を促す取り組みを後押しする。

 従来の商習慣を変革し、新たな製品・サービスを生み出す環境も整備する。繊維産業などで産地内の事業再編や産地間・異業種との連携を促し、外国人に受け入れられやすい商品開発を目指す。

 クリエイターを対象にクラウドファンディングを活用したコンテンツ製作や海外プロモーションも支援する。アニメや映画の舞台を訪れる「聖地巡礼」が観光客に人気なため、クリエイターの支援によって海外からの集客につながる可能性がある。
日刊工業新聞2017年12月14日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
政府は25年までに文化芸術資産がもたらす経済効果「文化GDP」を18兆円に引き上げる目標を掲げているが…。

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