切削工具大手が過去最高の業績を手にした戦略

タンガロイ、従来の2倍を超える新製品ラッシュが奏功

 タンガロイ(福島県いわき市)は、切削工具の積極的な製品開発が実を結んでいる。2015―16年と従来の2倍を超える新製品を開発、発売した。市況の良さを追い風に17年度は過去最高の業績を見通す。木下聡社長に現状とこれからを聞いた。

 ―新製品を立て続けに発売しています。
 「一昨年は42製品、昨年は43製品で過去最高だった。それ以前は20製品を超えたら多い水準だった。製品のライフサイクルが短くなり、開発部門の人員を増やしている。売上高を伸ばすには新製品が重要だと考える。17年度の売上高は前期比2ケタ増を期待し、一昨年の最高業績を抜くだろう」

 ―生産能力の手当はどうしますか。
 「海外は一貫生産ラインのある中国のほか、タイ、トルコに工場があるが、生産比率の約90%を占める国内で設備投資をしていく。海外でも価格競争力を保てるコストで国内生産すればいい。そのため画像による全数検査など工程の自動化を進めている。本社のある福島県いわき市の工業団地内に、新棟を建てるための用地を新たに確保した」

 ―イスラエル本社の同じIMCグループ各社と、海外販売で連携しますか。
 「同じグループだが市場では敵だ。自由競争でやっている。タンガロイの売上高比率は国内が35%、海外が65%で2010年ごろと逆転した。海外全25拠点にいる従業員約800人のうち、日本人は数人にとどまる。現地の人材で固め、ローカル企業を攻略してきた。海外比率はまだ伸びる。その分、人を増やす」

 ―今後、重点的に取り組みたい産業分野はどこですか。
 「航空宇宙分野を狙っていく。ブレードを削る工具などで、今の売上高比率は10%弱だ。市況は全体的に活発になっている。このほかオイル・ガスのエネルギー関連が盛り返し、自動車が好調のため一般機械などに波及している」
木下聡氏

(聞き手=六笠友和)

日刊工業新聞2017年8月22日

六笠 友和

六笠 友和
08月27日
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タンガロイの現在の好調は、これまでの種まきが実った格好だ。新製品の大量投入は、ここ数年来、開発を強化してきたからこそ。15年初に新工場を完成させ、生産能力を確保。工場は自動化、IoT(モノのインターネット)化を進めていた。

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