インテルとモービルアイ、レベル4の自動運転車100台で走行試験へ

スマホで出遅れたインテル、自動運転・IoTで反撃

 米インテルはイスラエルのモービルアイの子会社化に伴い、自動運転車向けの取り組みを加速する。試験用に、人が一切操作に関わらずに自動走行できるSAE(米自動車技術会)レベル4の自動運転車をモービルアイが100台以上用意し、米国とイスラエル、欧州で走行試験に入る。最初の試験車両は年内にも配備される予定としている。

 試験車両にはモービルアイの自動運転車向けビジョンシステム、機械学習、データ分析、マッピング技術を導入。同時に、インテルのオープンコンピューター基盤やデータセンターおよび超高速データ通信の第5世代移動通信システム(5G)に関わる専門知識を生かし、自動運転車向けクラウドサービスを提供する。

 これとは別にインテルとモービルアイは独BMWと協力し、2021年の生産開始を目標にした自動運転プラットフォームの研究開発プロジェクトを2016年7月にスタート。このアライアンスには5月、自動車部品大手の英デルファイも参画した。それに対し、インテルとモービルアイが取り組む100台以上の試験車両は、さまざまなブランドや車種を用意するとしている。

 一方、インテルはトヨタ自動車、エリクソン(スウェーデン)、デンソー、NTT、NTTドコモなどとともに7社で立ち上げたコネクテッドカー(つながる車)のコンソーシアムにも参加している。

 モービルアイはインテルが17年3月に153億ドル(約1兆6000億円)で買収すると発表。8月7日が期限の株式公開買い付け(TOB)でインテルはモービルアイの普通株式84%を取得し、8日には残りの株式に対し、引き続き21日を期限とするTOBの開始を公表した。

 子会社化に伴い、モービルアイはイスラエルに本社を置いたまま、インテルの自動運転事業部門(ADG)が統括する。モービルアイの共同創業者兼CTOでヘブライ大学でコンピューター科学を専攻するアムノン・シャシュア教授がインテルの上級副社長に就任し、モービルアイのCEOとCTOを兼務。共同創業者兼CEOを務めていたジブ・アビラム氏は退社する。

2017年8月11日付日刊工業新聞電子版
インテルの発表

藤元 正

藤元 正
08月12日
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スマートフォンへの対応が完全に出遅れ、スマホのトレンドから取り残されてしまった観があるインテル。自動運転やIoT、AIに活路を見出すべく、なりふり構わずに突き進もうとしている。こうした分野でのさらなる買収も十分予想される。ちなみにモービルアイの画像システムは日産の自動運転技術である「プロパイロット」にも使われている。

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