話題のたまご型パートナーロボット、パナソニックはなぜ商品化しないの?
「技術やユニークさを別のソリューションやロボットで」
パナソニックは、コミュニケーションができる、たまご型の卓上パートナーロボットを開発、米国で1月に開かれた「CES2017」でお披露目した。「商品化はいつ?」との問い合わせは多い。
だが、同ロボットは、開発者によると「今ある技術を形にして、社内や外部へどんなことができそうかを問う」ことが目的の一つで、そのままの形で世に出るか分からない。
「ベンチャー企業のような迅速な開発を目指した」。米シリコンバレーの拠点で開発を担った、イノベーション推進部門デザイン戦略室UI・UX担当の飯島隆宏主幹は同ロボット開発の状況をこう語る。
パナソニックは社内体制の変革を進め、開発面ではオープンイノベーションを積極化。外部人材の採用も目立つ。飯島主幹は、現地のエンジニアリング企業とロボットの開発を進めた。
米国という土地柄から、パナソニックに足りなかった開発のスピード感や社内、外部を巻き込んだ挑戦的な開発を“見せる”必要があった。たまご型卓上パートナーロボットはその一つの成果だ。
同ロボットは高さ350ミリメートル、重さ3・7キログラム。人工知能(AI)を使った音声対話が主な機能で、語彙(ごい)は約800。英語のみだ。
同主幹によると、机の上を落ちずに動き回りながら「10歳より少し下で、中性的な声」で対話する。声の好き嫌いが生まれないよう、サンプルボイスを加工した声にした。
語彙の少なさは、動きや間の取り方のほか「肯定の仕方にもバリエーションを持たせる」(飯島主幹)などの工夫で対話を豊かにし、カバーした。頭に備えたプロジェクターで映像を映すことも可能。その際の高さは485ミリメートルとなる。
商品化への期待は大きいというが、量産となるとつくり方も売り方も数段難しくなる。開発としては試作品までで、「技術やユニークさを別のソリューションやロボットで世に出す形になりそう」(同)という。次のロボットがどんな形で世に出るか。関心を呼びそうだ。
(文=石橋弘彰)
だが、同ロボットは、開発者によると「今ある技術を形にして、社内や外部へどんなことができそうかを問う」ことが目的の一つで、そのままの形で世に出るか分からない。
「ベンチャー企業のような迅速な開発を目指した」。米シリコンバレーの拠点で開発を担った、イノベーション推進部門デザイン戦略室UI・UX担当の飯島隆宏主幹は同ロボット開発の状況をこう語る。
パナソニックは社内体制の変革を進め、開発面ではオープンイノベーションを積極化。外部人材の採用も目立つ。飯島主幹は、現地のエンジニアリング企業とロボットの開発を進めた。
米国という土地柄から、パナソニックに足りなかった開発のスピード感や社内、外部を巻き込んだ挑戦的な開発を“見せる”必要があった。たまご型卓上パートナーロボットはその一つの成果だ。
同ロボットは高さ350ミリメートル、重さ3・7キログラム。人工知能(AI)を使った音声対話が主な機能で、語彙(ごい)は約800。英語のみだ。
同主幹によると、机の上を落ちずに動き回りながら「10歳より少し下で、中性的な声」で対話する。声の好き嫌いが生まれないよう、サンプルボイスを加工した声にした。
語彙の少なさは、動きや間の取り方のほか「肯定の仕方にもバリエーションを持たせる」(飯島主幹)などの工夫で対話を豊かにし、カバーした。頭に備えたプロジェクターで映像を映すことも可能。その際の高さは485ミリメートルとなる。
商品化への期待は大きいというが、量産となるとつくり方も売り方も数段難しくなる。開発としては試作品までで、「技術やユニークさを別のソリューションやロボットで世に出す形になりそう」(同)という。次のロボットがどんな形で世に出るか。関心を呼びそうだ。
(文=石橋弘彰)
日刊工業新聞2017年7月25日