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数十年ぶりの大型投資、「MRJ」納期延期もかき消す引き合い力

ナブテスコ・長田信隆副社長インタビュー
数十年ぶりの大型投資、「MRJ」納期延期もかき消す引き合い力

ボーイング「777X」のイメージ

 ―足元の受注環境は。
 「米ボーイングの小型機『737MAX』と大型機『777X』向け飛行姿勢制御装置の受注に成功した。777X向けでは、現行機『777』向けのほぼ倍増となる1機当たり35本を供給する。これに伴い売上高も2―3倍程度の伸びを期待している」

 ―大型受注に際し、基幹部品の投資も活発化しています。
 「主力拠点である岐阜工場(岐阜県垂井町)で100億円を投じ、三つの新工場棟を建設している。電気油圧サーボバルブ(EHSV)の専用棟や表面処理工場などだ。いずれの工場もIoT(モノのインターネット)を導入し、生産性や品質管理の質を高める」

 ―生産管理の手法についても、ボーイングなどから高い評価を受けています。
 「防衛省向けなど数が少ない部品に対しては変種変量生産、民間航空機向けなど一定量つくるものはラインで流す定量生産で対応している。ただ、二つの生産管理システムが存在すると混乱のもとにもなるので、将来的にはシステムの統合も検討している。IoTに加え、人工知能(AI)の活用もカギとなりそうだ」

 ―修理・整備(MRO)事業の進捗(しんちょく)は。
 「米連邦航空局(FAA)の規制緩和などもあり、MROへの参入企業が増えている。競争激化で価格破壊も起こりつつある。顧客のライフサイクルコストをいかに下げられるかが競争軸になる。飛行姿勢制御装置の開発や生産に携わる強みを生かし、技術支援なども含めて提案する」

 ―三菱重工業グループが開発する小型旅客機「MRJ」向けにも、飛行姿勢制御装置を供給します。開発の遅れで影響はありますか。
 「厳しいところはある。受注を当て込んで生産体制を整えており、本年度くらいから量産の売り上げを考えていた。当社は防衛省やボーイング向けなど多様な仕事を確保しており、業績への影響は軽微だ」
長田信隆氏

(聞き手=長塚崇寛)
日刊工業新聞2017年6月16日
長塚崇寛
長塚崇寛 Nagatsuka Takahiro 編集局ニュースセンター デスク
数十年ぶりの大型投資に踏み切ったナブテスコ。建屋や設備といったハードへの投資は一巡した。今後も需要増が期待できる小型機向けは、同社の成長エンジンとなるだろう。高い収益性を誇ってきたMRO事業の変化にどう対応していくかが今後の課題。他社とのアライアンスや物流網の拡大などが、処方箋となる。(

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