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着実な技術の進歩でドローンの活用範囲が着実に広がっている

ミライトが利用事業に参入、測量用途などを開拓
着実な技術の進歩でドローンの活用範囲が着実に広がっている

雨や強風下でも安定飛行する全天候型ドローンのシステムを開発中(イメージ)

 ミライト・ホールディングス(HD)は飛行ロボット(ドローン)を使ったサービス事業に参入する。2018年春ごろまでに事業を立ち上げる計画で、雨や強風に強いドローンを活用した測量ソリューションなどを提供していく。国内ドローン市場はサービスを中心に200億円規模とされる。通信インフラ事業など自社の営業サービス網を活用して運用サポート体制を手厚くして差別化する。

 事業子会社のミライト・テクノロジーズ(大阪市西区)が事業を手がける。同社はドローンやドローンに搭載する計測レーザー計測器を開発するアミューズワンセルフ(同中央区)と国土交通省のプロジェクトに参画し、雨や強風下でも安定飛行する全天候型ドローンのシステムを開発中。実用化にめどがついたため、ミライトHDの事業でのドローン活用とシステムの外販の準備を進める。

 まずは省庁や自治体向けに地震や台風の発生時に被災状況を把握できるシステムを提供する。通信関連企業と連携し防災システムを扱う企業にも提案していく考え。用途は農業やインフラ測量など幅広く見込めるため、多用途への展開も検討していく。

 用途別にノウハウを持つ企業との連携も模索していくと見られる。ドローン自体も全天候型に固執せず幅広い機種をそろえてニーズに応える。

 ドローンサービス事業の具体的な目標は明らかにしていないが、2022年にも最大で売上高30億円規模を想定するとみられる。ドローン操縦者の研修などのサービス拠点も国内に整備する。

日刊工業新聞2017年6月16日
石橋弘彰
石橋弘彰 Ishibashi Hiroaki 第一産業部
複数のプロペラが付いたマルチコプター型と呼ばれるドローンは、突発的な風が吹いた際に姿勢を保つ制御が難しいとされてきた。ミライトHDが使うドローンはそれを克服した。残るマルチコプター型ドローンの性能上の課題はバッテリーの制約で長時間飛べないというもの。ドローンに詳しい技術者によると、モーター制御の技術向上などで少しずつ飛行時間は延びている。着実な技術の進歩でドローンの活用範囲が着実に広がりそうだ。

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