アルプス電気が満を持してロボット用センサーに参入!ベンチャー投資花開く?

第1弾として世界最小の荷重検出用センサーを年内投入。13年に米クォルトレと提携し技術融合進める

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アルプス電気の荷重検知センサーのデモ
 アルプス電気はロボット用センサー事業に参入する。荷重を高精度に検知する世界最小クラスのセンサーを年内に投入するほか、バランス制御に役立つジャイロセンサーや関節角度を検出する回転角センサーも順次製品化する。ロボットメーカー各社が人と共同作業できるロボット開発を進めており、精度や安全性向上に役立つセンサー需要が広がっている。現在、アルプス電気のセンサー事業の売上高は約160億円。今後、ロボット向けなどで材料や設計技術を生かした高付加価値品を増やし、一般部品に並ぶ収益源に育てる。

 ロボットメーカーは、安全柵が不要で人と同じ生産ラインで稼働する“協調ロボット”や、介護現場向けに手足に装着し作業負担軽減を図る動作支援型ロボットの開発を活発化させている。
 
 アルプス電気がロボット向けの第1弾として開発した荷重検出用センサーは、サイズが縦2ミリ×横1・6ミリ×高さ0・66ミリメートルと小型ながら、最大7ニュートンまでの軽荷重を高精度に検知できるのが特徴。センサーの精度を示す分解能は0・01、動作寿命は100万回と長く使える。

 産業用や介護用、サービス用で普及が見込まれるロボットへの採用を想定。今後、製品群を広げるとともに、スマホなど他の分野に供給してきたセンサーをロボット向けに提案する。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるとロボット市場は、2020年に15年予想比78・4%増の2兆8533億円。国は5月、産学官のロボット普及推進組織「ロボット革命イニシアティブ協議会」を設立。東京五輪が開催される20年に向けて機器開発や導入促進、規制緩和を進め、世界一のロボット先進国を目指す方針を打ち出した。
 
 アルプス電気はこうした国や産業界の動きをふまえ、ロボット市場への参入機会を探ってきた。13年には、米ベンチャーのクォルトレと同事業で提携。13、14年の2年間で研究開発費として計700万ドルを提供し、スマホ向けや自動車向けセンサーに加え、ロボット向けの開発を急いできた。

 <関連記事=米クォルトレに投資しジャイロセンサー加速>
 アルプス電気は10日、米クォルトレ(マサチューセッツ州)に研究開発費として300万ドル(約3億円)を投資したと発表した。共同開発するジャイロセンサーの量産が2014年上期中に始まる見通し。今回の投資で協力関係を一層強化し、開発スピードの向上やセンサー事業の拡大につなげる。

 クォルトレは08年に設立されたベンチャー企業で、同年からアルプス電気と各種動きを検知する慣性センサーの開発を始めた。今年後半に第1弾となる産業機器向けジャイロセンサーのサンプル出荷を、14年上期中に量産を開始する計画。クォルトレのセンサー技術とアルプス電気の組み立て技術を融合させた製品でアルプス電気の販売網で拡販する。

 アルプス電気は磁気センサーなどを車載や産業機器向けに提供しており、センサー事業の売上高は13年3月期で約160億円。今後もクォルトレと連携し製品数を拡充。スマートフォン(多機能携帯電話)をはじめ、幅広い市場での採用を目指す。

日刊工業新聞2013年06月11日 電機・電子部品・情報・通信面/2015年06月10日 1面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア事業担当 DX統括

こういうベンチャーとの提携でイノベーションが起こる事例がもっと出てきて欲しい。実際のシナジーがどこまであったのかは分からない部分もあるが、アルプスが日本にこだわらず米国のベンチャーに投資したチャレンジを評価したい。逆に日本のベンチャーも大手企業との実業に直結する連携をもっともっと探って欲しい。特に電子部品は世界的に競争力がある分野で、ロボットの高度化に貢献するはずだ。

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