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安川電機のIoTサービス、そろり始動

ロボの保守・故障履歴などをクラウド上で管理するシステムを16年中に構築
 安川電機は2016年中を目標に、サーボモーターやロボットの保守・故障履歴などをクラウド上で管理するシステムを構築する。製品情報をスマートフォンで閲覧できる既存サービスを拡充する形で提供する。保守業務、故障対応などを効率化し、ユーザー側の稼働率向上に寄与する。また、部品の個体情報もクラウド管理の対象とし、トレーサビリティー(生産履歴管理)強化につなげる。

 製品個々に貼り付けた2次元コードから型式やトラブル対処法などをスマホで読み取れる既存のクラウドサービスを強化する。保守や故障の履歴などをデータとして蓄積し、ユーザーや自社のサービス員が閲覧できるようにする。保守業務やトラブル対応を円滑化し、生産停止時間圧縮やサービスコスト低減を可能にする。履歴情報のほか、各製品の部品に割り振ったIDも確認可能にする方針。トレーサビリティーを強化し、不良の原因究明などを迅速化するのが狙いだ。

 同社は14年にクラウドを活用した各種サービスを本格的に開始した。製品関連情報の提供のほか、顧客がクラウド経由で注文した数値設定を反映させて出荷するサービスも展開している。

 現在はサーボモーターがクラウド対応の対象だが、近くロボットやインバーター向けにも運用開始する方針。また、16年以降の投入を計画するサーボモーターの次期製品では、部品の劣化状況なども閲覧可能にすることを目指し、研究を進めている。

日刊工業新聞2015年06月09日 機械・ロボット・航空機面
清水信彦
清水信彦 Shimizu Nobuhiko 福山支局 支局長
 産業用ロボット大手、安川電機のIoTへの取り組み状況を取材した記事です。この記事の内容からは、IoTやインダストリー4.0時代に向けて何をやったらいいか、まだちょっと定まっていない(単に話を聞き出せていないだけかも?)印象を持ちます。  ロボットのコントローラーがネットにつながって、どんな情報を上げるのか。クラウドシステムでどんなデータを蓄えて、どう自動化するのか、など、まだ検討段階なのでしょう。  安川電機の場合、自社の製品に対するサービスもですが、それと同時に重要なのが、製品を介してどのようなサービスを提供できるようにするか、お客さんがどのようなメリットを受けられるようにするかです。そして、そのためにどのようなシステム基盤・サービス基盤を用意してくるのか。この記事からは、そうした将来へのビジョンはまだよく見えてきません。

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