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会社の埋蔵金を探せ!中小企業診断士が分かりやすく教えます

 会社経営では、売り上げではなく、利益を確保することが重要だ。売り上げ―費用=利益なので、利益を増やす方法には、売り上げを伸ばすことのほかに、費用を減らすこともある。そこで今回は、費用を減らす方法をご紹介したい。これらは、いずれも自社単独での実行が難しい。

 成功報酬制でさまざまな手法・ノウハウを駆使して支援する企業があるため、インターネット等で調べて相談頂くことをお勧めするが、その一つ、セールスジャパン(東京都大田区、井崎勝司社長)によれば、以下のようなものがある。

 (1)賃料適正化(削減)
 事務所や工場などが賃貸の場合に有効である。毎月定額で支払っている賃料は、人件費と並んで大きな費用となっている企業も多いが、交渉によっては下げることも可能である。

 (2)固定資産税の軽減
 大規模な自社ビルなど固定資産を有している場合に有効である。これは、固定資産税の算定の際に用いられる建物評価額を適正な額に改めて、固定資産税の軽減を図る。専門の不動産鑑定士などと連携した対応が必要になる。過去分も還付されるので、まさに埋蔵金である。

 (3)通信コスト削減
 固定電話、携帯電話と何本も回線を有している企業は多いが、従来のまま契約を続けていることが多い。また、法人の場合には相対での交渉も可能の場合があるが、通常の料金プランの中で設定している企業が多い。そのため、全キャリアの中で自社にとって最も有利になるプランの設定および料金折衝をすることができれば、かなりの削減が可能になる。料金明細も部署別に整理でき、事務の効率化が可能だ。

 (4)水道料金の削減
 女子トイレの便器が20台以上あるような企業におすすめの方法である。女子トイレの便器は1回当たりの使用水量が多い。装置により水量を制御し、削減を図り、消音装置を付けるのではなく、根本的に水量を適正化する。

 (5)電気・ガス料金の削減
 24時間稼働の工場を抱えるような企業に特に有効な方法である。24時間も工場を稼働させるとなると、多大なエネルギー消費量となり、電気・ガス料金も非常に大きな金額となる。そこで、使用量をコンピューターで分析し、最適な料金プランを導き出して、電気・ガスの供給事業者と交渉し、料金削減を目指すものである。
 <中小企業診断士=安部一光氏>

 ※「本日も東奔西走/中小企業診断士からの応援歌」は火曜日に連載中
日刊工業新聞2015年06月09日 中小・ベンチャー・中小政策面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
費用を下げるのは目的ではなく、あくまで手段。なにが本当の狙いかをはっきりさせないと本末転倒になりかねない。

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