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【DRC Finals 現地レポート】1日目終了。リードするのはチンパンジー!?

【DRC Finals 現地レポート】1日目終了。リードするのはチンパンジー!?

タスク4にトライ中のTartan RescueのCHIMP

 DRC Finals初日が終了した。
1日目の上位10チームと日本チームの結果は以下の通り。

1位Tartan Rescue(米)
2位Ninbro Rescue(独)
3位Robosiman(米)
4位IHMC Robotics(米)
5位KAIST(韓国)
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14位NEDO-JSK(日)
17位AIST-NEDO(日)
19位HRP2-Tokyo(日)
24位タイAERO(日)

 2013年に開催した前回大会での上位5チームにKAISTを加えた結果となった。Tartan RescueのCHIMPは、4足と2足のクローラー走行を使い分ける、チンパンジー型のロボット。タスク3でドアを開けた直後に転倒したが、自力で起き上がった。他のタスクでも失敗しかけては調整し、最終的に時間ぎりぎりで8つのタスクすべてを達成した。あきらめずにタスクに挑戦する姿に観客は一喜一憂。タスク8で試行錯誤しながら階段を昇り切った際には、会場全体が大きな歓声に包まれた。8つのタスクをすべて達成したのは同チームのみ。
 
 日本チームは大苦戦。タスク1をパスしたAERO以外のチームは、タスク1の車の運転では比較的スムーズに行えたものの、タスク2の降車は転倒のリスクを考えパス。しかしタスク3をクリアできたのはNEDO-JSKのみ。AIST-NEDOはタスク3の前にロボットが脱力し倒れ込んでしまった。HRP2-Tokyoは通信トラブルで停止。再度の挑戦が認められたがタスク3を達成できなかった。

 東京大学の稲葉雅幸教授は、「Finalsでも、日本チームにとっては初戦。この結果になったのは準備不足が大きな原因だ。例えば、転倒しても壊れないロボットにするためには何度も転倒し起き上がる練習を兼ねる必要があるが、ロボットの数も少なく、開発者はロボットが壊れるのが怖いのでわざと倒すような練習はしてこなかった。自力で起き上がるロボットになるためには1年はかかるだろう」と話す。
 2日目に向け調整を進め、どこまで得点を伸ばせるか。
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
1日目と2日目の高い方の得点が最終得点となります。明日までに各チームどのように調整してくるか、注目です。

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