内視鏡に欠かせない微小特殊プリズムの達人、オリンパスにあり
「1人でも多くの後輩に教えたい」
オリンパス子会社で、顕微鏡や工業用内視鏡を手がける長野オリンパス(長野県辰野町、田中健寛社長)の技能者、原和一(はら・かずいち)さん(60)は顕微鏡や医療用内視鏡の重要部品である微小特殊プリズムの立ち上げ、加工に携わってきた達人だ。
1975年の入社以来、一貫して高難度のレンズ・プリズムの試作、製造を担当してきた。中でも、神経細胞のような無色透明のサンプルの表面を立体的に見せる微分干渉観察に使用するプリズム「ノマルスキープリズム」の加工などに携わってきた。
同プリズムは約50種類あり、角度も寸法も違う。肉厚の公差はマイクロメートル(マイクロは100万分の1)台という高い加工精度が特徴で、「基準面に対して平行に磨き、高い面精度で、マイクロメートル台に仕上げる。誰にでもできるモノではない」と自負する。
自らを「根は優しいが頑固」と話す。開発部門から新しい試作の発注が来ても、「やらずして、できないとは言わない。まずはやってみる。やってみるとああしよう、こうしようというアイデアが浮かぶ。開発部門から求められる製品は全てこなしてきた」。
11年に厚生労働省「現代の名工」に選ばれ、16年度秋の褒章では「ノマルスキープリズムの加工法の確立」で「黄綬褒章」を受章した。「内視鏡や顕微鏡など医師や研究者に愛される製品、企業に関わってこられて良かった」と振り返る。
(文=村上毅)
1975年の入社以来、一貫して高難度のレンズ・プリズムの試作、製造を担当してきた。中でも、神経細胞のような無色透明のサンプルの表面を立体的に見せる微分干渉観察に使用するプリズム「ノマルスキープリズム」の加工などに携わってきた。
同プリズムは約50種類あり、角度も寸法も違う。肉厚の公差はマイクロメートル(マイクロは100万分の1)台という高い加工精度が特徴で、「基準面に対して平行に磨き、高い面精度で、マイクロメートル台に仕上げる。誰にでもできるモノではない」と自負する。
自らを「根は優しいが頑固」と話す。開発部門から新しい試作の発注が来ても、「やらずして、できないとは言わない。まずはやってみる。やってみるとああしよう、こうしようというアイデアが浮かぶ。開発部門から求められる製品は全てこなしてきた」。
11年に厚生労働省「現代の名工」に選ばれ、16年度秋の褒章では「ノマルスキープリズムの加工法の確立」で「黄綬褒章」を受章した。「内視鏡や顕微鏡など医師や研究者に愛される製品、企業に関わってこられて良かった」と振り返る。
(文=村上毅)
日刊工業新聞2017年4月26日