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EUへの日系進出企業、注目のフランスは約1300拠点

東京商工リサーチ調べ。選挙次第で『ポスト英国』さらに複雑に
 東京商工リサーチによると、欧州連合(EU)加盟28カ国に進出している日系企業の数は1242社にのぼり、計1万3072の拠点を構えていることが分かった。拠点数では英国が4083拠点とトップで、ドイツ(2231拠点)、フランス(1303拠点)が続く。産業別では卸売業(3578拠点)、「サービス業他」(3219拠点)、製造業(2902拠点)の順。卸売業やサービス業の比率が高く、日系企業がEUを製造拠点としてだけでなく、販売やサービスの提供先としている実態も明らかになった。

 英国がEU離脱を決めたほか、注目の仏大統領選はEUの枠組みを堅持するマクロン氏と、EUに批判的な立場のルペン氏の決選投票になる見通し。その他に今年はオランダ総選挙、独連邦議会選挙などの政治イベントが多く、EUの情勢が注目されている。

 「EU戦略拠点としての英国の存在感低下は避けられず、日系企業は税制面や地政学リスクなどさまざまな角度から『ポスト英国』の拠点を模索している」(東京商工リサーチ)が、選挙結果次第では、日系企業はさらに難しい方程式を解く必要が出てきそうだ。
日刊工業新聞2017年4月24日の記事を加筆・修正
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
仏大統領選はマクロン氏とルペン氏の決選投票に。マクロン氏の勝利の可能性は高くひとまずEUの枠組みは堅持されそうだが、EUが緩やかに崩壊していく流れは止まらないと感じる。

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