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早大が早実跡地に大型産学連携の拠点。研究費収入2倍目指す

2020年に開設。学内研究特区でロボットや再生エネルギーなど
早大が早実跡地に大型産学連携の拠点。研究費収入2倍目指す

新研究開発センターの1期工事㊨の完成予想図。左は既存施設(©KUME SEKKEI Co.,Ltd.)

 早稲田大学は大型産学連携の拠点として、東京都新宿区に新研究開発センターを2020年4月に開設する。学内研究特区とし、ロボットや再生エネルギーなどのテーマで数十社が参加する大型コンソーシアムを展開する。実証試験や企業の技術ショールームの機能も持たせる。これにより年間収入1000億円のうち1割を占める研究費収入を、32年には現在比2倍の200億円に引き上げる。

 政府は産業競争力の強化の一環として「企業から大学などへの投資を3倍に」と産学連携の大型化を打ち出している。早大は中長期計画「WasedaVision150」で研究費収入増を掲げており、今回の投資はその具体策の一つとなる。

 新センターは早稲田キャンパスにある早稲田実業学校の移転跡地に建設する。現在、早稲田実業の校舎が残っており早大が研究支援事務などに使っている。

 新センターは地上6階、地下2階建てで17年内着工の第1期工事での延べ床面積は1万8000平方メートル。最終的には同3万平方メートルの拠点を整備する。投資額は未公表。

 新センターは先端的なオープン&クローズ戦略を導入する。コンソーシアムにおけるイノベーション創出の基礎研究と同時に、企業秘密に配慮したセキュリティー管理下での個別共同研究を行う。

 工学のほかスポーツや生命を含め、新たに二つ程度のプロジェクトを始める。試作品の実証試験や各社のショールーム機能も計画する。さらに社会倫理や法規制など、早大が強い人文・社会科学系との融合による特徴も出していく。
日刊工業新聞2017年4月5日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
早大はここ数年、電池向けナノ材料、スマート社会、次世代自動車などで国の事業を活用した大型産学コンソーシアムを立ち上げてきた。今後、大型産学連携の展開を加速させることになるか。

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