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IHI、「F-35」エンジン専用の工場が稼働

東京・瑞穂で。整備事業も視野に入れる
IHI、「F-35」エンジン専用の工場が稼働

飛行するF35戦闘機(ロッキード・マーチン提供)

IHIは瑞穂工場(東京都瑞穂町)で建設を進めていた、最新鋭ステルス戦闘機「F―35」に搭載する「F135ターボファンエンジン」の専用工場を稼働したことを明らかにした。同工場は組立工場と試運転場で構成するが、まずは組立工場で作業を始めた。IHIは米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)によるエンジン製造に、下請け生産として参画。生産したエンジンは防衛省向けとなる。下請け生産に必要な設備費用などは防衛省と随意契約しており、契約額は約243億円とみられる。

 新工場は地上5階建てで、延べ床面積は約1万4000平方メートル、建築面積は同5448メートル。F―35は1機当たりエンジン1台を搭載するシングルエンジン仕様。防衛省はF35を42機購入し、1年に6機ずつ導入する計画だ。新工場もこれに合わせ、年産6台分程度の生産能力を持つ。

 IHIはエンジンの整備事業も視野に入れる。米政府はF135エンジンの整備拠点について、18年初期までに豪州に、その3―5年後に日本での設置を決定している。整備事業に参入できれば、工場の稼働率を高められるほか、防衛省にも運用面で利点が大きい。

 また、IHIはF135向け部品の製造もP&Wから請け負っており、19品目の生産が決まっている。エンジン部品は相馬工場(福島県相馬市)と呉第二工場(広島県呉市)などで生産する。

 両工場とも部品生産に向けた専用設備を整備済み。米政府の認可やP&Wとの契約が完了した段階で、本格生産に乗り出す。将来は扱う部品点数を増やすことも検討する。
F―35向けエンジンを製造するIHIの瑞穂工場
日刊工業新聞2017年3月28日
長塚崇寛
長塚崇寛 Nagatsuka Takahiro 編集局ニュースセンター デスク
F―35は米ロッキード・マーチンを主体に世界9カ国の政府・企業が共同開発している。防衛省は一部完成機輸入を除き、国内企業の参画を決めた。米政府との調整を踏まえ機体最終組み立ては三菱重工業が、エンジン組み立てはIHIが担当することになった。

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