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サッポロ、ベトナムでビール苦戦。赤字体質脱却なるか

サッポロ、ベトナムでビール苦戦。赤字体質脱却なるか

ベトナムで販売されているビール(中央がサッポロの商品)

 サッポロインターナショナル(東京都渋谷区、大類司社長、03・5423・7224)は、苦戦しているベトナムのビール事業で、2020年にも営業損益の赤字解消を目指す。営業組織の再編やメリハリが効いた営業、シンガポールや香港、豪州へ輸出を拡大するといった戦略を進め達成する。海外メーカー大手が低価格攻勢を強めているほか、国営ビール企業の売却観測などもある。サッポロは競争力を高めるためにも、体質改善を急ぐ。

 サッポロインターナショナルはベトナムへ、11年に工場を建設して進出した。市場の将来性を見込んでの決断だったが、業績は低迷。赤字体質から脱却できていない。17年12月期のベトナム事業は、営業損益が14億円の赤字の計画。前期は16億円の赤字で、若干だが改善する見通しだ。

 ただ、このペースでは早期黒字化は厳しいため「収益の改善を加速」(大類社長)する。同社がベトナムで販売するビールは、大半が高価格帯の「サッポロプレミアム」で、16年から中価格帯「ブルーキャップ」も発売した。営業はホーチミンやハノイの都市部が中心。これまでの営業で「ノウハウがかなり向上した」(同)ため組織を見直し、稼ぐ力を引き出す。地域別とともに、業態別の体制に分ける。

 現地の流通も再編が進み、家族経営の零細ストアから中規模のチェーンストアが増えつつある。このため、中規模チェーンに対する営業を強化する。経費配分も見直す。営業予算は従来、月次平均を重視していたが、人が集まる行事や地域に集中投下する方法に改めて、効率を上げる。

 また、工場の生産能力を十分に生かすため、シンガポールや香港などへ輸出を拡大。シンガポールへは16年、親会社のサッポロホールディングス(HD)が、役員を常駐させる駐在事務所を設置した。

 さらに、グループ企業のポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市中区)が早くから進出しており、この地の利も生かす。
競争力を高めるために体質改善を急ぐ(ベトナムのビール工場)
日刊工業新聞2017年3月14日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
他の東南アジア諸国同様、ベトナムのビールは総じて薄口です。暑い気候と辛い料理と一緒に安くて薄いビールに氷を入れて飲む、というスタイル。対して日本のビールは濃いめ。日本のスタイルも徐々に定着していくのでしょうか?

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