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自動車のカウルにロボットがテープを貼り付ける!

コスモ技研が自動化システム
自動車のカウルにロボットがテープを貼り付ける!

特殊スポンジ貼付装置

 コスモ技研(愛知県小牧市、五十嵐宏一社長)は、自動車のカウルに防水用特殊スポンジテープを自動貼付する「特殊スポンジ貼付装置」を発売した。多関節ロボットがカウルを動かし、外部機器が保持するテープを貼付する。ロボットハンドと3軸の外部機器、各社の6軸垂直多関節ロボットを組み合わせ、セット価格は4000万―5000万円(消費税抜き)程度。年間5台の販売を目指す。

 カウルはボンネットとフロントガラスの間のカバー。テープの貼付作業は貼付面に凸凹があり、表面から裏面につたう作業もあり、動きが立体的で複雑になり、ロボットでの自動化が困難だった。

 新装置はテープ側ではなくカウル側をロボットに持たせる逆転の発想で人手頼みの作業を自動化した。テープを保持する3軸の外部機器をロボットと同時制御して複雑な動作を実現。人手で150秒かかる作業が新装置は80秒で済む。

 コスモ技研はカウルメーカーから商社を通じテープ貼付作業の自動化の依頼を受け、装置を開発した。3社で特許を共同出願し、外販にも踏み切った。

 柴田和宏営業技術部部門長は「これまでロボットがテープを持たないといけないという固定観念が業界にあったので自動化できなかった。逆にするという提案が斬新でうまくいった」と話している。
日刊工業新聞2017年3月10日
石橋弘彰
石橋弘彰 Ishibashi Hiroaki 第一産業部
生産現場の自動化を進めるには、作業を熟知しつつ、ロボットや機械の「できる/できない」といった性能の限界も把握した技術者の創意工夫が重要となる。コスモ技研のような事例をどれだけ早く、どれだけ多く作れるかが、日本のモノづくりの競争力強化につながる。 

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