「ワゴンR」開発責任者が語る、絶対に妥協は許されなかったワケ
「軽ワゴン」の開拓者として新しい価値観を提案
**加藤勝弘(スズキ四輪商品・原価企画本部長)
ワゴンRは1993年9月に登場したロングセラー商品。セダンタイプが中心だった軽自動車市場にワゴンという形を新提案した先駆者で、かつスズキの軽自動車のスタンダードモデルに位置する車として、4年5カ月ぶりのフルモデルチェンジでも絶対に妥協は許されなかった。
広さが自慢のワゴンRは当初、大人4人がゆったり乗れる車として支持を集めていた。だが、各社からも軽ワゴンが続々登場し、使われ方もこれまでの大人4人が相乗りするものから、一人ひとりが使うものへと変わっていった。
そこで、今回のフルモデルチェンジではまず3車種でデザインに変化を持たせ、ユーザーの個性に沿って選べるようにした。ハイブリッドFXはいろんな個性と生活様式に合った新定番スタイルを施した。
ハイブリッドFZはよりスポーティーに仕上げ、若者向けのスティングレーは力強さを強調した。各車を前から見るだけでそれぞれ異なった印象を持ってもらえると思う。
使い勝手にも気を配った。室内の長さは2450ミリメートルと軽自動車としてナンバーワンの広さを確保。前席は広さを意識したパーソナルスペース、後席は機能性を重視した実用スペースと二つの設計思想を融合した。後席のドアには傘ホルダーを搭載した。
これは市場調査などの結果ニーズが高いと判明し、開発の初期段階から搭載を決めていた。もちろんホルダーもデザインと一体化し、機能美を持たせている。
走りや安全性も忘れていない。ハイブリッドモデルには、発進時に電気自動車(EV)として走れる「マイルドハイブリッド」を搭載した。
モーター機能付き発電機の高出力化とリチウムイオン電池の大容量化、部品の配置などを見直して車体重量の約20キログラム低減に寄与した新プラットフォーム「ハーテクト」の搭載により、33・4キロメートルの低燃費を達成した。
衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート」や「ヘッドアップディスプレイ」もスズキの軽自動車として初採用。スティングレーハイブリッドモデルには標準装備している。どんなユーザーでも安全に走れるように設備を整えた。
ワゴンRが切り開いた軽ワゴンというジャンルは、軽自動車市場の7割を占めるまで成長した。市場のフロンティアとしてこれからも新しい価値観を提案し続け、さらなる市場の拡大を目指す。
ワゴンRは1993年9月に登場したロングセラー商品。セダンタイプが中心だった軽自動車市場にワゴンという形を新提案した先駆者で、かつスズキの軽自動車のスタンダードモデルに位置する車として、4年5カ月ぶりのフルモデルチェンジでも絶対に妥協は許されなかった。
広さが自慢のワゴンRは当初、大人4人がゆったり乗れる車として支持を集めていた。だが、各社からも軽ワゴンが続々登場し、使われ方もこれまでの大人4人が相乗りするものから、一人ひとりが使うものへと変わっていった。
そこで、今回のフルモデルチェンジではまず3車種でデザインに変化を持たせ、ユーザーの個性に沿って選べるようにした。ハイブリッドFXはいろんな個性と生活様式に合った新定番スタイルを施した。
ハイブリッドFZはよりスポーティーに仕上げ、若者向けのスティングレーは力強さを強調した。各車を前から見るだけでそれぞれ異なった印象を持ってもらえると思う。
使い勝手にも気を配った。室内の長さは2450ミリメートルと軽自動車としてナンバーワンの広さを確保。前席は広さを意識したパーソナルスペース、後席は機能性を重視した実用スペースと二つの設計思想を融合した。後席のドアには傘ホルダーを搭載した。
これは市場調査などの結果ニーズが高いと判明し、開発の初期段階から搭載を決めていた。もちろんホルダーもデザインと一体化し、機能美を持たせている。
走りや安全性も忘れていない。ハイブリッドモデルには、発進時に電気自動車(EV)として走れる「マイルドハイブリッド」を搭載した。
モーター機能付き発電機の高出力化とリチウムイオン電池の大容量化、部品の配置などを見直して車体重量の約20キログラム低減に寄与した新プラットフォーム「ハーテクト」の搭載により、33・4キロメートルの低燃費を達成した。
衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート」や「ヘッドアップディスプレイ」もスズキの軽自動車として初採用。スティングレーハイブリッドモデルには標準装備している。どんなユーザーでも安全に走れるように設備を整えた。
ワゴンRが切り開いた軽ワゴンというジャンルは、軽自動車市場の7割を占めるまで成長した。市場のフロンティアとしてこれからも新しい価値観を提案し続け、さらなる市場の拡大を目指す。
日刊工業新聞2017年2月28日