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「潜在看護師」はどこにいる?短時間からでも復職求む

4ULがマッチングサイト開設へ。対象は約70万人
「潜在看護師」はどこにいる?短時間からでも復職求む

スマホを活用し潜在看護師の復帰を促す

 フォー・ユー・ライフケア(4UL、東京都中央区、宇陀栄次社長)は、スマートフォンやITを活用し、看護師の就職を支援するサイトを5月をめどに立ち上げる。短時間・非常勤で就労でき、資格を持ちながら離職している「潜在看護師」の職場復帰を促す。医療機関向け、看護師向けの試験版の提供を始めた。正式版の提供につなげ、年1万人の成約を見込む。

 看護師マッチングサイト「なでしこナース」は、求職者である看護師が事前に職歴や技能、希望する地域や時間、給与などを登録する。求人する医療機関と看護師のニーズをITで効率的に結びつける。手数料は医療機関が支払う仕組みだ。

 高齢化が進む中、医療現場の看護師不足は深刻な課題だ。2025年には約196万―206万人の看護師が必要になると言われており、現在の154万人からみると約50万人のギャップがある。

 一方で硬直的な勤務体系がネックとなり、潜在看護師は約70万人いると言われ、復職に向けた仕組み作りが急務だ。「経験豊富な人材が短時間、短期から仕事を再スタートできる。新しい働き方を提供したい」(伊藤久美取締役)とする。

 同社は16年に元セールスフォース・ドットコム社長の宇陀氏と、在宅医療に詳しい医療法人社団鉄祐会祐ホームクリニック理事長の武藤真祐氏が共同で創業した。元GEヘルスケア・ジャパン最高マーケティング責任者(CMO)の伊藤氏が経営に参画している。

日刊工業新聞2017年2月28日
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
過酷な勤務体系などから離職したり、出産や育児など休職後に復職できずにいる看護師が多いそうだ。IT、介護、マーケティングのプロが集まって新たなビジネスモデルを生み出すことを期待したい。

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