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邦銀初、三井住友が行内照会業務にAI「ワトソン」

融資の規定や商品情報の照会などの利用を想定
 三井住友銀行はIBMの人工知能(AI)「ワトソン」を行員の行内照会業務に利用する。邦銀では初めてという。12月に法人業務の問い合わせ対応で用いており、2月以降、個人向けサービスや海外拠点からの照会に自動で回答できるようにする。銀行には事務手続きに関する規則が多く、現場から本部に照会が頻繁に寄せられる。AIの活用で行内の生産性改革につなげる。

 営業部店で行内のイントラネットを使って調べたい内容を入力することで、顧客への迅速な回答と業務効率化を実現する。融資の規定や商品情報の照会などの利用を想定する。欧米海外拠点からは英語でも照会できるようにする。

 これまでは顧客から営業部店への問い合わせには担当者がマニュアルを調べたり、本店に照会したりしていた。海外拠点から本部への照会には時差もあり、時間を要することもあった。

 三井住友銀はコールセンターのオペレーター応対業務にIBMのワトソンを導入している。2016年10月には300席全席で利用可能とした。ワトソンが提示する回答候補上位2位以内の正答率は9割を超えている。
日刊工業新聞2017年2月24日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
三井住友銀行は今後もワトソンの活用領域を広げていく方針で、サイバーセキュリティー分野などでの利用を見込んでいるという。

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