2017年度 自治体予算のポイント教えます《#05》
名古屋市、埼玉県、和歌山県
**【名古屋市】中小支援助成を拡充 新事業向け融資
名古屋市は15日、市民経済分野の予算額が2016年度比2・1%減の986億2605万円となる17年度当初予算案を発表した。経済分野の総額は減るが、中小企業の活動助成を継続するほか、情報通信技術(ICT)やロボット産業など次世代産業の育成・支援を進める。港区空見地区での大規模展示場新設に向け調査費2000万円も初めて計上した。
中小企業の支援では開発経費の一部を助成する中小企業新製品・サービス創出等支援事業を拡充し、5000万円を計上。金融対策にも踏み込み、新事業創出資金の融資期間3年の新設を予定する。
次世代産業育成は、新たにICT企業集積促進事業に取り組む。「ロボカップ2017名古屋世界大会」開催には1億200万円を盛り込んだ。
一般会計は同7・9%増の1兆1711億円で増額だが、県費負担教職員の給与負担等移譲が要因。
関連記事:愛知県と名古屋市、大規模展示場の整備で対立続く
埼玉県は中小製造業のIoT(モノのインターネット)活用支援を強化する。新たに埼玉県産業振興公社が中心となり「IoT推進協議会」を創設するほか、県内中小企業の製造ラインのIoT化、生産能力や効率化向上に補助金を投じる。従来、埼玉県産業技術総合センター(SAITEC)が既存工場の生産設備をスマート化するため、モデル工場の設置などを行ってきたが、新規に予算を計上してIoT化を加速する。
2017年度当初予算案に、中小企業のIoT活用支援事業として4707万円を盛り込んだ。県内の中小企業が製造ラインのIoT化を進める場合などに、上限500万円の補助金をつける。推進協議会は県、企業、大学、金融機関などで構成する。今後はスマートものづくりでセンサー網の構築やIoT導入に向けた実証実験を行ってきたSAITECと埼玉県産業振興公社が連携し、中小企業のIoT化を多面的に支援する。
和歌山県は14日、県内企業の製品・サービス開発や販路開拓を助成する「地域中小企業応援ファンド」(仮称、66億円規模)創設などを盛り込んだ2017年度当初予算案を発表した。工業技術や農林水産、鉱工業、観光資源を生かし成長を図る中小企業が対象で、同ファンドの運用益を助成金に充てる。
応援ファンドは12月に期限10年で終える「わかやま中小企業元気ファンド」の継承事業。同ファンドは累計365件助成し、工業製品や和歌山が強い農林水産物などで新事業創出を後押しした。
応援ファンドも期限10年で、元気ファンドの名称も同月以降継承し、切れ目なく支援する。中小企業基盤整備機構が64億円、県が2億円出資し、県内金融機関にも出資を募る。
一方、リゾート地で交通の利便性も高く情報通信技術(ICT)企業に人気の白浜町では、時間貸しも含む2カ所目のレンタルオフィスを整備する。
一般会計は16年度当初予算案比1・7%減の5655億円。
《#04》広島県、三重県、千葉市、宇都宮市
《#03》愛知県、静岡県、栃木県
《#02》神奈川県、長野県、沖縄県
《#01》千葉県、群馬県、横浜市、川崎市、さいたま市、静岡市
名古屋市は15日、市民経済分野の予算額が2016年度比2・1%減の986億2605万円となる17年度当初予算案を発表した。経済分野の総額は減るが、中小企業の活動助成を継続するほか、情報通信技術(ICT)やロボット産業など次世代産業の育成・支援を進める。港区空見地区での大規模展示場新設に向け調査費2000万円も初めて計上した。
中小企業の支援では開発経費の一部を助成する中小企業新製品・サービス創出等支援事業を拡充し、5000万円を計上。金融対策にも踏み込み、新事業創出資金の融資期間3年の新設を予定する。
次世代産業育成は、新たにICT企業集積促進事業に取り組む。「ロボカップ2017名古屋世界大会」開催には1億200万円を盛り込んだ。
一般会計は同7・9%増の1兆1711億円で増額だが、県費負担教職員の給与負担等移譲が要因。
関連記事:愛知県と名古屋市、大規模展示場の整備で対立続く
【埼玉県】中小IoT化を加速 補助金や協議会
埼玉県は中小製造業のIoT(モノのインターネット)活用支援を強化する。新たに埼玉県産業振興公社が中心となり「IoT推進協議会」を創設するほか、県内中小企業の製造ラインのIoT化、生産能力や効率化向上に補助金を投じる。従来、埼玉県産業技術総合センター(SAITEC)が既存工場の生産設備をスマート化するため、モデル工場の設置などを行ってきたが、新規に予算を計上してIoT化を加速する。
2017年度当初予算案に、中小企業のIoT活用支援事業として4707万円を盛り込んだ。県内の中小企業が製造ラインのIoT化を進める場合などに、上限500万円の補助金をつける。推進協議会は県、企業、大学、金融機関などで構成する。今後はスマートものづくりでセンサー網の構築やIoT導入に向けた実証実験を行ってきたSAITECと埼玉県産業振興公社が連携し、中小企業のIoT化を多面的に支援する。
【和歌山県】66億円規模の中小応援ファンド
和歌山県は14日、県内企業の製品・サービス開発や販路開拓を助成する「地域中小企業応援ファンド」(仮称、66億円規模)創設などを盛り込んだ2017年度当初予算案を発表した。工業技術や農林水産、鉱工業、観光資源を生かし成長を図る中小企業が対象で、同ファンドの運用益を助成金に充てる。
応援ファンドは12月に期限10年で終える「わかやま中小企業元気ファンド」の継承事業。同ファンドは累計365件助成し、工業製品や和歌山が強い農林水産物などで新事業創出を後押しした。
応援ファンドも期限10年で、元気ファンドの名称も同月以降継承し、切れ目なく支援する。中小企業基盤整備機構が64億円、県が2億円出資し、県内金融機関にも出資を募る。
一方、リゾート地で交通の利便性も高く情報通信技術(ICT)企業に人気の白浜町では、時間貸しも含む2カ所目のレンタルオフィスを整備する。
一般会計は16年度当初予算案比1・7%減の5655億円。
《#04》広島県、三重県、千葉市、宇都宮市
《#03》愛知県、静岡県、栃木県
《#02》神奈川県、長野県、沖縄県
《#01》千葉県、群馬県、横浜市、川崎市、さいたま市、静岡市
日刊工業新聞2017年2月15、16日