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セブン―イレブン、調理器材の洗浄機導入。作業3分の1に短縮

コンビニ店内の業務、何から省力化すればいいか?
セブン―イレブン、調理器材の洗浄機導入。作業3分の1に短縮

パナソニックとローソンが設置を進める次世代型コンビニの完全自動セルフレジ機「レジロボ」

 セブン―イレブン・ジャパンは3月以降に、おでんや中華まん、揚げ物といった店舗のカウンターで扱う商材の調理に使う器材の洗浄機の導入を始める。洗浄に要する時間は、現在の約3分の1に短縮できる見込みだ。2018年2月期中に約2万ある全店に設置し、従業員のストレスや作業量の軽減を目指す。

 小売業は人手不足が課題となっている。コンビニエンスストアのセブン―イレブンは、店舗の床の素材をプラスチックタイルから、より曇りにくいセラミックタイルに張り替え、清掃時間を従来比4分の1程度にした。

 機械やITの導入でレジなどの作業の省人化につなげ、従業員が接客などに集中できるようにする動きが相次いでいる。ローソンは自動で精算と袋詰めをする「レジロボ」を、18年2月末までに10店舗強へ導入する。レジロボの導入で、従業員の作業量は1割程度軽減できると見込む。

 食品スーパーマーケットなどで組織する日本スーパーマーケット協会は、売り場からレジをなくす可能性を検討している。10月以降に実証実験をする予定だ。川野幸夫会長(ヤオコー会長)は「スタッフが1時間でこなすマンアワーの2割がレジ業務。生産性向上のためにもレジレスを進めるべきだ」と話す。

 人手不足を背景に、人件費も上昇している。リクルートホールディングス(HD)がまとめた三大都市圏のアルバイト・パートの平均時給は、16年12月にコンビニスタッフが前年同月比3・0%増、レジ業務が同2・7%増となった。
日刊工業新聞2017年1月26日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
人手不足が流通業の合理化を進めていく。コンビニの店内業務のうち、調理器の洗浄は従業員の負担になっているし、投入する人・時は小さくない。それよりも早く、無人レジ化、決済レス化を進めてほしいと思っている人は少なくないとみられる。レジ待ちには皆、辟易していると思う。レジ係の人の職を奪うことになるが、顧客満足にもつながると思う。

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