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大規模パーキングで探索・自走しながら自動駐車

クラリオンが2017年度にも実用化へ。商業施設などを想定
大規模パーキングで探索・自走しながら自動駐車

写真はスマホを使ったリモートパーキングシステムの駐車プレビュー画面

 クラリオンは海外の商業施設やホテルなどにある大規模駐車場でドライバーにかわって車が自走し空いているスペースに駐車する自動バレーパーキングシステムの開発に着手した。カメラ技術や画像処理技術などを高度化して実用化を目指す。駐車場が広大な北米や中国などでの利用を想定しており完成車メーカーなどに提案できるようにする。ドライバーの安全運転を支援する車両情報システム事業の拡大につなげる。

 自動バレーパーキングシステムはドライバーがいない状態で車が車載カメラなどで周辺の状況を検知しながら自走し、空いているスペースを見つけて自動で駐車する仕組み。ドライバーの利便性が高まる新たなソリューションとして、独ボッシュやコンチネンタルといった大手部品メーカーが完成車メーカーと連携しながら研究開発を進めている。

 クラリオンは、周辺監視カメラシステム「サラウンドアイ」を応用した同社として初の自動駐車システムを2017年度内に実用化する計画を掲げている。

 昨年12月には日立オートモティブシステムズと連携しスマートフォンを使って遠隔操作で自動駐車できる「リモートパーキングシステム」を開発しており、自動バレーパーキングシステムもこうした自動駐車関連技術を高度化して実用化にめどをつける。

 同社はドライバーの運転を支援するシステムやサービスを提供する車両情報システム事業を強化している。自動駐車についても要求に応じてさまざまなソリューションを提案できるようにし、将来の収益の柱に育てる。
日刊工業新聞2017年1月20日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
国土交通省と経済産業省は専用駐車場で自動車が完全自動走行する「自動バレーパーキング」について2020年頃の実現を想定しているが、海外勢の動きや実践先行に負けないようにしないとサプライヤーも取り残される。クラリオンは日立の連結上場子会社だが、比較的独立的に開発を進めている。スピード感ではその方がいいかもしれないが、今後、開発や営業リソースを含め日立グループの中でのガバナンスをどうするかを決断しないといけない。

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