睡眠時無呼吸症候群の対策はできていますか?患者用の機器続々

三井化学はマウスピースに入れ歯。いびき、体位、消費カロリーを測定する装置も

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三井化学の子会社が開発したアクリル樹脂製のマウスピース
 三井化学、入れ歯も投入へ 

 三井化学が米国で立ち上げたヘルスケア子会社ホールユー(カリフォルニア州)は、閉塞(へいそく)性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者用マウスピースの出荷を始めた。2014年11月に新設したホールユーブランドを冠した初の製品出荷となる。第2弾として利用者の3次元データを使って快適な装着感を実現した入れ歯を15年度中にも発売する。車軽量化部材、食品包材とともに成長3分野に位置づけるヘルスケア製品を増やし、基礎化学品を中心とした事業構造から脱却する。

 1日に米国で出荷を始めたのは3月に買収した米ベンチャー、レスパイヤ・メディカル(ニューヨーク州)が開発したマウスピース。睡眠時に下あごが下がって気道を狭くするOSAS患者がアクリル樹脂製のマウスピースを装着すると、下あごが前に出て気道を確保する仕組み。歯科医が患者の歯型に応じて簡単に調整できる。

 米国のOSAS診断患者数は20年に500万人超と08年比3倍の見通し。エアチューブを伝い、鼻に装着したマスクから気道へ空気が送り込まれるシーパップ療法が主流だが、治療を途中で放棄する患者が半数に上るため市場参入余地がある。

 15年度中をめどに入れ歯の販売にも乗り出す。13年に買収した米ベンチャーのデンカが持つ3次元データを用いた設計技術と三井化学の入れ歯用樹脂技術を融合。これに3Dプリンターなどを用いた加工技術を加え、従来品より装着感を向上した入れ歯にする。

 14年に取得したパナソニックヘルスケアの電子メガネ技術と三井化学のメガネレンズ材料技術を組み合わせ、1本で近視と老眼の双方に対応可能な電子制御メガネの開発も進める。レンズの改良で焦点精度を向上。ケーブルなしの充電も可能にする。

 ホールユーはヘルスケア製品開発に関する優秀なアイデア提供者に賞金1万5000ドル(約180万円)を授与する取り組みも始めた。聴覚、嗅覚を支援する製品も開発し、20年度までに営業利益70億円を目指す。
 (日刊工業新聞2015年05月25日 素材・ヘルスケア・環境面)

 OKIは機器を装着しないで睡眠の質を検出する装置を開発

 OKIはセンサーなどの機器を体に装着しないで、人の睡眠状態や消費カロリーを測定できる技術を開発した。部屋に設置した装置から発するマイクロ波でミリメートル以下の人の動きをとらえ、睡眠周期や活動量を見える化する。寝ている時に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群の検出や、高齢者の見守りシステムなどに応用できる。精度やコストなどの検証を進め、3年後をめどに製品化を目指す。

 開発した装置は24ギガヘルツのマイクロ波を発する。反射したマイクロ波の特定の成分から消費カロリーを算出して活動量を推定する技術と、呼吸の揺らぎから睡眠の深さを測る技術を確立した。活動量測定では、座って安静にしている状態や家事をしている状態などの動きの活発さを見分ける。動いていたり倒れていたりといった状態を判別できる。精度検証は今後進めるが、一般的な装着型の活動量計と同程度の性能があるという。

 睡眠深度測定では、熟睡しているのかどうかといった睡眠の質を検出。健康の維持管理に応用が可能だ。布団などの上から測定でき、また体に機器を装着する必要がないため、睡眠中に機器が外れてしまうというリスクを防げる。事業化の際はシステム構築業者などとの連携も視野に入れる。介護事業者やデベロッパーといった事業者向けを中心に提案を進める。

 現在、日本では高齢化が進む中で独居老人の増加や孤独死などが問題となっている。見守りシステムのニーズは高まっているが、監視カメラではプライバシーの観点から抵抗があるとの声も多い。そこで映像は撮らずに人の細かい動きを捉えられるセンサーやシステムが求められている。
(日刊工業新聞2015年02月16日 電機・電子部品・情報・通信面)

 フィリップスは携帯型睡眠評価装置

 フィリップス・レスピロニクス(東京都港区)は、在宅で睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査が可能な携帯型睡眠評価装置「ウォッチパット」の販売を始めた。三つのセンサーを体に装着し、就寝中に指先の末梢動脈波や動脈血酸素飽和度、いびき・体位を測定する。病院で実施する高精度な検査を自宅でできる。消費税抜きの価格は78万円。月額2万2000円でレンタルにも応じる。

 同装置は医療機関がSASを確定診断する際に使用する。従来は入院を伴う検査が必要だったが、同装置は患者が簡単にセンサーを装着でき、自宅で睡眠データを測れる。検査中にセンサー信号はメモリーに記録され、解析ソフトウエアによって無呼吸・低呼吸指数や睡眠状態など医師の診断に必要な情報がレポートされる。
 ※価格は掲載時のものです。

日刊工業新聞2014年04月08日 ヘルスケア面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア事業担当 DX統括

米国は国家的にSAS対策に取り組んでいる。交通事故などを筆頭に直接、間接的な経済損失の試算も出ている。機器のハードに加え、働き方を含めた政府、企業のソフト面の整備も欠かせない。

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